第40話 ジェニ、告白!?

「最初は鎮圧してすぐに姿を

 隠すつもりだったが・・・。」と

ハジメは言うと


街に魔獣が入り込んでいるとなると

選択肢はない。

魔獣をやらなければ住民がやられる。

しかし魔獣は向こうの手先だ。


ならば戦うしかあるまい。

結果、それが謀反とか反乱と

言われてもな。


「で、これからどうするんだ?」と

ボルドーは聞くと


勿論、まずはここの領主の屋敷を

目指す。抵抗する者は敵とみなす。


「その前に勧告します?」とジェニ。


そうだな、折角なのでこの街全体に

響くように吠えてやるか。とハジメ。


笑い合う全員。しかしジェニは

「じゃあ、外で準備しますね」と

出て行った。


「あいつ、何しに行った?」と

ハジメは皆の顔を見る。

ボルドーは「さぁね」と両手を

広げ困った顔をする。


一時すると・・・。


「あーテステス。聞こえますかぁ?」

と凄く大きいジェニの声。


皆が驚き外に出ると、

バイクのエンジンをかけて

黒い大きな箱が3個ある。

紐でバイクにつながっていて

なにか剣の取っ手の部分の様なものを

ジェニが持っていた。


マイクとスピーカーです。

電源はバイクから取っています。

「じゃ、吠えましょう。最大音に

 しますよぉ!」とジェニ。


「あーテステス!」とジェニは言う。

どうです?

これ位では?とハジメを見る。

ハジメは驚きながらも

「いや、街の中央付近まで行けば

 完全に届くだろう」とハジメ。


ジェニはそそくさとかたずけ

ハジメをバイクに乗せる。


テージョ!と声をかけもう一台

バイクを準備する。


「ソミュールと来てくれ」と言うと

テージョは興奮気味に

「おもしれえ!ついて来て正解!」

とソミュールとバイクに乗る。


街の中央付近に着き、もう一度

ジェニは準備する。


「あーテステス!」と言うと


俺このちょっと恥ずかしい

言い方してみたかったのよね。と

ジェニは自分で笑いながら言う。

そして・・・


この街に住まう者全員に伝える。

我々はこの街の、いや、この国を

総統というバカから解放する者である!


貴族だけで国が回ると思うなよ!

俺らが居なければ何もできないくせに!

俺らが食わしてやってることを

忘れてるんじゃねえぞこら!


そこまで言うとハジメにマイクを渡す。

「あースッキリした。」とジェニ。


何とテージョはそのマイクを

ハジメから奪い取る。


「くせえ魔獣を使ってるんじゃねえぞ!

 壊滅してやる!魔獣は全部たおーす!」

と言うとハジメにマイクを渡す。


「まじで気持ちいいな!これ!」と

言いながら。


そしてなんとソミュールがハジメから

マイクを奪い取る!


「ウゾーーー!お前の金使いこんだのは

 私じゃないぞ!というか今度からは

 もっとまともな場所に隠せ!」


そういうとハジメにマイクを渡す。

「あーなんかすっきりした」と。


この瞬間、サボルチの街にウゾの

名前が轟いた瞬間だった。・・・。

本当に轟いたのである!


ハジメはマイクを取り喋り始める。


俺はこの間までの13人衆頭目の

ハジメだ。そして平民派代表でもある。

この街には貴族派もいるが

残念ながらこの街を我々は拠点として

今の体制と戦う。


今の状態がおかしいと思っている

貴族派もいるだろう!

これがお前たちが望んだ国なのか!

魔獣まで使い殺戮までする!


絶対的な力を誇示し、恐怖で人間の

心を縛り付ける!

力に対して力を振う愚かさを俺は

知っている!しかし、俺は守る為なら

その力を振う。


民衆あっての国という事を忘れては

いけない!


明日の朝、日が昇ると同時に

反攻の狼煙を上げる!


その前に魔獣を使って攻め込んで

きてもいいぞ!返り討ちにしてやる。


戦闘区域はこの辺りから国の機関が

密集する中央区までだ。

ここの領主を捕らえるまで戦闘を

やめるつもりはない!


もしその場所にいなかったら

かくまっていると考え

全ての貴族派を全員捕らえる!

逃げる貴族派は先に逃げろ!

言うが今回は手加減はしない。


こっちには貴族派の住所と名前を

持っている!とことん追い詰めてやる!


「ふう」というとハジメはマイクを

ジェニに返す。

「言い過ぎたかな、これじゃ俺が

 悪者みたいだな」ともいう。


よし、帰ろう。そして4人は

撤収していく。


「今晩くるぞ」とハジメは言う。

「だろうな」とテージョ。

「言うが、夜の方が我々は強いぞ」

とボルドーとソミュール。


ボルドーは吸血族を編成する。


「俺達も参戦させてくれ。」

その声に振り向くと

猫耳族を中心とした亜人達だった。


「俺達は本当はこの国の者じゃねえ。

 でもこの街の住人は俺達を差別せずに

 普通に接してくれた。

 働いてもキチンと賃金をくれるし。」


「ここは他の街とは違う。だから

 この街だけでも守りたいんだ」


「助かる」とボルドー。


「因みに俺もだが昔あんたの下で

 働いたことがある。末端だったがね。」

と一人の亜人が言う。


「そういった者も沢山いる。昔のようは

 行かないだろうが自由に俺達を

 使ってくれ」と他の亜人も

ボルドーに言う。


「夜戦に関しては人間の部隊は使わない。

 吸血族と猫耳族、そして鬼人族。

 犬人族は5人を1組として

 隠密に動いてほしい。」


ハジメがそう言った事を言うのを

ジェニは聞き、思う。

「亜人と言う言葉をこの人は使わない」


「ハジメさん!俺はあんたが好きだ!」

と突然ジェニの告白。

戸惑うハジメ。



「す、すまん。俺は普通なんだ。すまん」と

ハジメは焦る。






















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