第5話 9月30日(金)【ちいさい秋みつけた】


ラジオ◆◆をお聴きの皆さん、こんばんは。

9月30日金曜日、時刻は夜11時を回りました。

あなたと過ごす金曜日の夜のひと時『夜のポスト』

今夜も30分間の生放送でお送りいたします。

お相手は、私、ラジオ◆◆パーソナリティ 赤松れんげです。

どうぞよろしくお願いいたします。


この番組は、リスナーの皆さまからのメッセージとリクエストでお送りしていきます。

誰かに伝えたい、話したい、聞いてほしい、そんなメッセージをお寄せください。

テーマはフリーで、随時受け付けています。

それでは、金曜日の夜のひと時、どうぞゆっくりリラックスした時間を一緒に過ごしましょう。



さて、今夜は9月最後の放送でございます。

あと約1時間で9月が終わってしまいます。

なんと明日からは10月です!

信じられないですね。本当にあっという間ですよね。

クリスマスケーキやお節料理の注文のチラシが配られているのを見て、もうそんな時期なの? と、驚いてしまいました。

年々、時間が経つのが早くなってきているような気がしてならないのですが……

皆さんはいかがですか?

あっという間だな、と思いますか?

それとも、まだ10月か、という感じですか?

良かったらメッセージで教えてくださいね。



では、今夜いただいているメッセージを紹介いたします。

ラジオネーム、『コスモス』さんからのメッセージです。


『れんげさん、こんばんは。毎週、この時間をとても楽しみにしています』


こんばんは。

楽しみにしていただいているなんて、とても嬉しいです。

ありがとうございます。


『先週の放送の際に、れんげさんが最後に「つかの間の秋」とおっしゃっていて、なんだかハッとしました。

私が子どもの頃、もうウン十年以上前のことですが、季節の変わり目というと、野山や空の色、畑の作物、庭の草花、そして吸い込む空気が教えてくれていました。

時の流れが止まらないように、自然も日々季節に合わせて変化しているのですね。

ずっとそれが当たり前だと思って生活していたはずなのですが、住み慣れた村を離れてから、いつの間にか忘れてしまっていたようです。

仕事で伺った営業先では、挨拶の次に必ずと言っていいほどお天気や季節の話をするのに、おかしなものですね。

子どもの頃のように季節の移ろいを身体で、五感で感じるのではなく、言葉だけで発していたようです。

何だか物悲しいものですね』


わかります。

私も、子どもの頃の方が自然を見て季節の変化を感じ取っていたように思いますね。

今は天気予報や、カレンダーを見て季節の移ろいを感じることの方が多いかもしれないです。


『こんなセンチメンタルな気分になってしまったのには訳があります。

先日、実家を取り壊すことが決まったのです。

利便性の悪い立地の古くて隙間風の吹くような古い家で、これ以上高齢の両親が暮らしていくのは大変だからと、姉や兄達と相談し決めました。

両親は姉夫婦とともに暮らすことになり、すでに引っ越しを済ませています。

最初は私たちの中の誰かが住むことも考えたのですが、それぞれ家庭を持ち、生活の基盤がある以上、土地も家も引き継ぐことは困難でした。

ただ、誰も口にしませんでしたが、手放してしまうのは、本当は惜しいのです。

ですが、現実を見据えればこれが最善の方法だということも全員がわかっています』


ご実家の取り壊しですか……

ちょっと私には経験のないことなので、何とも言えないのですが、自分が暮らしていた家を取り壊すって、簡単には受け入れられないと思います。


『取り壊される前に少しでも目に焼き付けておこうと、この前の連休の際に、実家に向かいました。

役目を終えた家は静かにその時を待っているようでした。

人の手が入らなくなった家は、本当にすぐそれがわかるものですね。

寒い冬の夜に姉と身を寄せ合いながら眠ったことが、つい昨日のことのように思い出され、思わず涙があふれてきそうでした。


庭も両親がずっと丁寧に手入れをしていました。

かつて季節ごとに花が咲き美しかったこの庭で私は、姉と兄とともにこの庭をまるで子犬のようにじゃれあいながら、駆け回っていたはずなのに。

今となっては、もうその面影もありません。


秋が「つかの間」であるように、長い人生の中では子ども時代も「つかの間」なのかもしれません。

ただ、その時には毎日が輝いていて「つかの間」だなんて思いもしない。

大人に向かうにつれて外への憧れを重ね、自ら望んでそこを旅立ったはずなのに。

なぜ、あの家で、庭で過ごした日々をもっと大切にしなかったのだろうと……


就職を機に家を出てから、私は一生懸命働いてきました。

辛いこともたくさんありましたが、同じくらい嬉しいこと、楽しいこともたくさんありました。

幸いなことに優しい夫と出会い、かわいい子どもにも恵まれ、もうすぐ孫も産まれます。

私は幸せ者だと思いますし、歩んできた道に後悔はありません。

それでも、やはり心のどこかで、これで良かったのかしらと思わずにはいられないのです。


かつて私は、確かにあの家で暮らしていて、あの庭で季節を感じていました。

年を取るにつれ、忘れることもたくさんあれば、思い出すこともたくさんあります。

あの家と庭で過ごした日々を心に留めながら、この先の季節を私は過ごしていきたいと思います。

乱筆乱文失礼いたしました』


ということで、『コスモス』さんメッセージありがとうございます。

ちょっと私にはなかなか言葉が出ないのですが……

先ほども言いましたが、「生まれ育った家を取り壊す」という経験が私にはありません。

ですが、想像してみると、どこかぽっかり心に穴が開いてしまうような気がします。

思い出がたくさん詰まった場所はなくなってしまいますが、『コスモス』さんや、『コスモス』さんのご家族の心の中でいつまでも大切にしてくださいね。

私も、日々を大切に過ごしていきたいな、と思いました。

メッセージをありがとうございました。



それでは、『コスモス』さんからリクエスト曲もいただいています。

『「つかの間の秋」をちゃんと見つけられるよう祈りを込めてリクエストいたします。

子どもの頃からとても大好きな曲です』

ということで、リクエストをいただきました。

『コスモス』さんからのリクエスト曲【ちいさい秋みつけた】です。

どうぞ。



お聞きいただきました曲は【ちいさい秋みつけた】でした。



さて、今夜もたくさんのメッセージいただいていますので、ご紹介したいと思います。


ラジオネーム『鍵盤』さん。

『僕も実家を離れて生活しています。

自分で望んでこの道を選びました。

実家や地元が嫌いなわけではありませんが、今の生活は充実しているし、とても大切にしています。

僕は、まだ学生ですがおそらく地元での生活に戻ることはないと思います。

それは自分自身で決めたことですが、いつか『コスモス』さんのように実家を思うときが来るのかな……』


ということで、メッセージありがとうございます。

実家、そして地元を離れて暮らしている方、たくさんいらっしゃると思います。

学校であったりお仕事であったり、望んでその生活を選ばれた方もいれば、否応なくその生活になった方もいらっしゃるでしょう。

それぞれ実家や地元への思いは異なるのでしょうね。

『鍵盤』さんはまだ学生さんでいらっしゃるということなので、これから時間が経つにつれていろいろ思いも変わってくるかもしれませんね。

『コスモス』さんのような気持ちになるかもしれないですし、ならないかもしれないです。

時間や様々な経験を経て、考え方や価値観は変わっていくものですからね。

その時、その時のご自分の気持ちを大切にしていくのが良いのかな、と私は思います。


続いては、ラジオネーム『雨』さん

『れんげさん、こんばんは。

『コスモス』さんのお話、とても興味深かったです。

というのも、私はあまり実家という感覚がわかりません。

幼い頃から、転勤族の父について国内だけではなく海外も含めて何回も引っ越しをしてきました。

幼稚園から高校まで全てで転校を経験しています。

大学が初めて、入学する学校と卒業する学校が同じになる予定です。


両親が今暮らしているところが、実家ということになるのだと思いますが、大学入学のタイミングと父の転勤のタイミングが重なったこともあり、私は両親が今住んでいる家に住んだことはありません。

もちろん、行ったことも、泊まったこともありますが、それはみんなの言う「実家」とは違うと思っています。

なので、幼い頃を過ごした思い出のお家というのは素敵だな、と思いますし、少し羨ましく思いました』


ということで、メッセージありがとうございます。

幼稚園から高校まで全てで転校を経験!

すごいですね。

国内だけではなく海外も、ということなので、今までいろいろな所に住んでいらっしゃったのでしょうね。

確かに『雨』さんからすると、実家とか地元という感覚はあまりないかもしれないですね。

いろいろな所に住んできた『雨』さんの経験談も気になります。

もし機会がありましたら、またメッセージお寄せ下さいね。


最後に、ラジオネーム『杏仁豆腐』さん

『赤松さん、こんばんは。

うちにも先日、クリスマスケーキの案内が来ました。

もうそんな時期かと驚きました。

本当に時間が経つのはあっという間ですね。


さて、『コスモス』さんのお話、他人事ではないな、と思いながら聞いていました。

うちも年老いた両親が田舎の古い家で二人暮らししています。

家や土地、今後どうしていくか考えなくちゃね、と兄弟で言いつつも具体的な話はしてきませんでした。

うまく言えませんが、やはり、どこか向き合い難い問題なのでしょう。

ですが、いつまでも逃げ続けるわけにはいきません。

そろそろ腹をくくって話し合いをしなくてはいけないな、と思いました』


ということで、メッセージありがとうございます。

なかなか難しい問題ですよね。

きっと同じような立場の方もたくさんいらっしゃるのではないかな、と思います。

ご両親、ご兄弟皆さんにとって良いお話し合いができると良いですね。



今夜もたくさんのメッセージありがとうございました。

この番組は、にこにこキラキラ生命保険株式会社とその他各社の提供でお送りしました。


さあ、冒頭でもお話ししましたが、明日から10月ですね!

皆さん、10月はどんなご予定ですか?

私は特に出かけたりするような予定は全くないのですが、気持ちのよい季節になって来たので、景色の良いところをお散歩したいな、なんて思っています。

あと、美味しいものを食べられたら最高だな、と考えております。


さて、この番組では皆さまからのメッセージをお待ちしております。

テーマはフリーで、随時受け付けています。

誰かに伝えたい、話したい、聞いてほしい、そんなメッセージをどうぞ『夜のポスト』に投函してください。

あて先は、FAX番号 〇〇〇〇-××-○×○×

メールの方は、〇〇〇@radio◆◆.jp

また、ホームページの専用フォームからでもお送りいただけます。

どうぞご利用ください。



そろそろお別れのお時間となります。

今夜はこの曲でお別れしましょう。

『旅愁』です。


それでは、来週もまたお耳にかかりましょう。


ラジオ◆◆『夜のポスト』お相手は、赤松れんげでした。

おやすみなさい。



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