蛍の惑星
烏川 ハル
第1話
いつものように、ブーッという低い電子音が鳴っていた。
装置の中で目が覚めて、最初に認識するのは必ずこの音だ。まるで目覚まし時計のようにも感じられるが、実際に私の起床を促しているのは、装置の中に充満する特殊ガスだった。
自動的に装置の蓋が開き、起き上がった私は外に出る。外といっても「装置の外」であり、ここは宇宙船の中だ。
まずは、冷凍睡眠用のスーツ――肌にまとわりついて気持ち悪い――を脱ぎ捨てて、部屋着がわりのTシャツと短パンに着替えた。
続いて、私物のネックレスを首に掛ける。この旅に出ることが決まった際、友人女性から餞別としてプレゼントされたものだ。
おそらく本来は、私みたいな男性が身につけるものではなく、女性用の装飾品なのだろう。金色の鎖のネックレスであり、指の爪くらいのサイズの宝石がついていた。
私は宝石の
彼女の説明によると、オパールの石言葉は『希望』や『幸運』。なるほど、ならば希望の惑星を目指す私の旅には、確かに相応しいのだろう。
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