第12話
僕はゴリの来ない日中に薬草を集めに集めた。
薬草ダンジョンの低層と中層にある素材は出来るだけ採取して魔物も倒す!
ハーブトレント2体とスライム数十体が出てくる。
前の僕なら逃げていたけど僕は魔物に突撃した。
斬撃を何度も使い、攻撃を受ける前にスライムを倒していく。
倒した瞬間鞘にスライムが収納される。
ダンジョンに入ってすぐのスライムは1撃で倒せてしかもすぐに回収できる。
ハーブトレントも斬撃ですぐに倒れた。
『★鞘召喚レベル8→9』
スキルレベルが上がった!
魔物を倒すとキノコや薬草をすべて自動で採取する。
ここは鞘召喚のレベルも上がって素材も一杯手に入る。
鞘召喚のレベル10になるまで素材を集めよう。
こうして魔物を倒し、素材を回収して過ごす事で薬草ダンジョンの素材はたくさん集まった。
薬草を取りすぎている気がするけど、僕一人が取ったくらいじゃ無くならないよね。
僕は勢いに乗って魔物を倒し、素材を取っていく。
「えい!」
ゴーストが倒れ、魔石を鞘に吸収した。
『★鞘召喚レベル9→10』
『★マント召喚に能力が追加されました』
『★ナイフ召喚に能力が追加されました』
『★鞘召喚に能力が追加されました』
『上級ノービス→特級ノービス』
お!おおおおお!
僕はステータスを開いた。
カモン 男
【上級ノービス→特級ノービス】(裁縫・解体・鍛冶・紋章魔法の最終成長率を10倍にする)
体力:【100/100 EXP0/1010→100/200 EXP0/1010】
魔力:【100/100 EXP0/1010→100/200 EXP0/1010】
器用:【100/100 EXP0/1010→100/200 EXP0/1010】
才能:【68→70】
スキル『★鬼人化:封印中』『短剣レベル8(戦闘力+24%)』『裁縫レベル6』『採取レベル10』『解体レベル6』『生活魔法レベル4』『鍛冶レベル5』『紋章魔法レベル1』
武器:『★ナイフ召喚レベル10攻撃力100(魔力吸収・斬撃・マーキング・【鍛冶攻撃力強化+50】・【解体攻撃力強化+60】)』『★鞘召喚レベル【8→10】(異空間収納・自動採取・【次元工房】・【マーキングスラッシュ】)』
防具:『★マント召喚レベル10防御力50(自動防御・魔力自動回復・状態異常耐性・【裁縫防御力強化+60】)』
能力の限界値が100から200に上がった。
100を超えると能力アップに必要な魔石が10倍になる。
鍛冶攻撃力強化・解体攻撃力強化・裁縫防御力強化は鍛冶・解体・裁縫のスキルレベルに応じて武具の性能を引き上げるのか。
皆からは見えないけど、思ったより攻撃力と防御力は高くなるぞ!
今ナイフ召喚の攻撃力が210で、マント召喚の防御力が110か。
次元工房は収納空間内で自動的に解体や裁縫なんかが出来る!
これはいい!
魔力は消費するけど、魔物を攻撃して魔力を回復しつつ次元工房を使えればもっと効率よく仕事が出来るぞ!
レベル10にならないと次元工房で作った物の質は落ちてしまうけど、質が落ちても自動で作れるのは大きい。
色々試してみたいな。
マーキングスラッシュは……!
これは!
僕は走ってマーキングスラッシュを魔物に使った。
◇
魔物がマーキングスラッシュで倒れる。
マーキングとマーキングスラッシュの能力が分かった。
これは僕の新しい力になる!
でも、もう3日経つ。
ティアおばあちゃんとプロテクタにお礼をしてない。
……街に戻ろう。
【ゴリ視点】
おかしい!薬草が集まらない!
いつもの2割くらいしか薬草が集まらない。
ハーブトレントが少ない。
折角見つけて倒しても薬草があまり生えていない!
何が起きた!
「ゴリ社長。薬草の収穫が少ない件ですが、すぐオーナーに報告しましょう」
「も、もう少し様子を見る」
「悪い事はすぐ報告、これが基本です」
「もう少し様子を見るんだよ!」
俺は強引に話を終わらせた。
更に厄介なのはブルーポーションから監査の人間が来ている。
壁役をやらせることが出来ねえ。
魔石を自分に使う事も出来ねえ。
やりにくい!
文句ばかり言って邪魔なんだよ!
ゴリはルールを破って仕事をしていた。
監査が入るといつもの壁役を押し付け、その隙に後ろから魔物を殴るやり方を使えなくなる。
今までまともな動きをしていなかった為社員との連携が悪い。
会社の情報はブルーポーションの社長、イーグルとオーナーのクラッシュに流れていた。
ダンジョン探索が終わりポーションタワーに戻るが、薬草はいつもの2割ほどしか取れなかった。
「だから言ったじゃないですか。すぐに報告に行きましょう」
監査の男がうんざりした顔で言った。
「お前はここのルールが分かってねえ!」
「ルールとは何ですか?具体的に言ってください」
「色々あるんだよ!」
「その色々のルールを聞いています!」
「何を騒いでいる?」
後ろからオーナーのクラッシュが歩いてきた。
「な、何故ここにいるのですか?」
「そんな事よりゴリ、異常はないか?」
「ええ、大丈夫です」
「いえ、薬草の収穫量がいつもの20%ほどに落ち込んでいます!」
監査の男が大きな声で答えた。
「やはりそうか。他の会社からも同じ報告を受けている。重ねて聞くがゴリ、お前は問題無いとそう認識しているのだな?」
「や、薬草の収穫量が少ない気はしました」
「なぜ最初にそれを言わなかった?会社は各自社長に任せてはいるが緊急事態が起きた際はすぐ連絡するよう何度も言っている。私は何度も何度も言ってきた。そう言う方針だったと思うが?」
「そ、それは、カモンが悪いんです!」
「はあ?何を言っている?もういい。ゴリではなく監査の報告を受ける。ゴリ、お前の報告は必要ない」
クラッシュは監査の男と話を始めた。
俺は居ない者のように扱われている。
なぜこうなった!
給金が半分になり、家の30年ローンの支払いが苦しい。
休日はボランティアのせいでせっかく建てた家でゆっくり休む事すら出来ねえ!
俺様がどぶさらいをするのは間違っている!
俺の仕事じゃねえ!
ボランティアで金すら貰えねえ!
他の社員に仕事を投げる事も出来ねえ!
そのおかげで毎日夜遅くに家に帰る。
せっかく建てた家なのに寝るだけの場所になっている。
いつまで監査が続くんだ?
ずっと監査し続けるつもりか?
カモンは何で来ない!
手紙を出したのになんで来ない!
カモンの家に乗り込もうとしたが、家は更地に変わっていた。
カモンの奴!
今どこにいるのかもわからねえ!
全部カモンだ!
カモンが悪い!
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