第十話 豚の言葉は聞こえない

「ギャワオワェア!」

「コボルト語はわかんねぇよ!」


 杖を掲げるコボルトの叫びと共に、地面がでこぼこにうねり、土のスパイクが幾つも飛び出す。俺はそれを飛び回って避け、持って来た訓練用の木剣を構え直した。


「こ、来ないでなのです! 《ファイアアロー》!」


 チロルは何とか逃げ回りながら残りのコボルトの注意を引いてくれている。

 今の内にと俺はシャーマンへ打ちかかり、奴はそれを巧みに杖で受け止めて見せる。

 

「ギャウガ!」

「っと!」


 周囲の石くれが宙に浮き、俺に向かって一斉に飛び掛かる。

 避けが間に合わない分は叩き落とし、ダメージを与えられなかった奴の顔が驚愕した。俺もお返しとばかりに突きをみまい、奴の肩口を傷つける。


「……あぁもう、あっちへ行って! 《ファイアボール》!」


 ボンッという爆発音――数の多いコボルトに苦戦するチロルは、相手を突き放すように火球を放った。この位の広さがあれば問題ないと判断したのだろうが……残り魔力は大丈夫だろうか。


 目まぐるしく視界を切り替えながら戦うこの緊張感は昔を少し思い出させた。


(とっとと終わらせる!)

 

 次の詠唱までに間が空き、俺は魔銀の指輪を装着すると、一気にシャーマンとの距離を詰める。


「ギャルワン!」

「ワンワンうるせぇ! 《偽刀術・カラタチ》!」


 動きが変わった俺に対応しようと奴はシャーマンは杖をくるりと回し、黄色い魔力の盾を出現させたが、俺は振りかぶった木剣に気合を込め、そのまま振り下ろす。


 ――ザンッ!


「ギェ……ン」


 その剣は盾ごとシャーマンを一刀両断し、魔物の命を絶つ。


 刀術スキルで習得できる技能 《カラタチ》――本来俺にはこの技を発動することはできない。だが、型を模倣することと、アクセサリで上昇した身体能力で、似たような効果を発生させることはできる。そんな技術を俺は冒険者時代に幾つも習得していた。


 続けて、チロルに襲い掛かっていたコボルト達を一瞬で片付ける。


「……ふぇぇ、ありがとうございますぅ」

「ほら、まだ気を緩めんな」

「そうでした、リュカちゃんが……! 《ファイアボール》! 《ファイアボール》っ……!」


 へたり込みそうになったチロルを立ち上がらせると、彼女は後ろを塞ぐ土壁に駆け寄り魔法を詠唱した。しかし、そんな小規模な爆発ではこの壁を打ち破ることは出来なさそうだ。


 俺は諦めようとしないチロルの腕を引いて止めさせる。


「やめろ、それじゃ無理だ。《アースウォール》か……土魔法を使える奴でも雇ったのか……」

「で、でも……他に方法が」


 通路は今や完全に塞がれている……だが、方法がないわけでは無い。


「どいてろ、俺がやる」


 俺はコボルトシャーマンの遺灰から取り出した魔石を手に壁に手を当てた。

 そして、《装飾品規定・自然物》の技能を使用し一回こっきりの魔法効果を発動する。

 

「《アースウォール》解除!」


 たちまち土壁が渦を巻いて、人一人が通れるほどの穴が貫通した。

 不完全なまま力を引き出した魔石の形が崩れ、砂に変わる。


「す、すごいのです……テイルさん、魔法が!?」

「いや、魔石を無理やり装飾品化して一時的に力を引き出しただけだ。さて、ちょっと捕まってろ、本気出す」

「はぃ……!? ちちょっと、わひぃぃぃぃぃ!」


 姿を消したジェンドと攫われたリュカを追う為、俺はチロルを担ぎ上げると身体能力補正をフル活用し、全力でその場から遠ざかり始めた。


◆《リュカ視点》


「ぎゃははは、うまくいったぜ! 俺様に恥をかかせるからこういうことになるんだよ、ガキが!」

「……は、はなせ!」

「黙りやがれ!」

「あうッ!」


 おいらは頬を張られて地面に倒れ込む。

 手足はすでに縄で縛られ、動けない状態だ。


 ジェンドはおいらの首をつかんで無理やり引っ張り上げる。


「お前はな、これから奴隷商人に売られんだよ。イヌビト族は大して金にはならねえが、鬱憤晴らしには丁度いい。残念だったな、俺達に楯突かなきゃ、もうしばらくはまともな生活が遅れたかもしれねえのによ……」

「こ、このっ! そんなことになるもんか! あにきとチロルが絶対、助けに来てくれる!」


 おいらはジェンドの顔を睨んで言ってやった。

 でもそれを聞いてこいつらは、思いっきり吹き出し、全員で大笑いしたんだ。


「あにき……ああ、あいつらの事か? ぷくくっ……ぶぁっはっはっは! ある訳ねえだろ……あいつらはもうあそこに閉じ込められたまま、もう戻っちゃこれねえよ! そのままあの中で飢えて死ぬしかねえ!」

「残念だったなぁ、リュカ……せっかくお友達が出来たのによ! お前みたいなしけた獣人に構うからこんなことになっちまったんだ! きっとあいつらも今頃は、お前を助けたことを後悔してるだろうよ!」

「そ、そんな……」


 たしかにあいつらは、妙な魔法を使って一本道の通路を土壁で塞いでしまった。

 あにきはとっても強いけど、でも魔法は使えない……体一つであんなところから抜け出せないだろうし、チロルの魔法だってどれだけ役に立つか……。


「さあ、ジェンドの兄貴、とっととずらかりましょうぜ。誰かに見られたら面倒だ」

「おお、そうだな……とっととこいつを売っぱらって、その金で祝杯でも上げようぜ」


 どうしよう……おいらのせいで、あにきとチロルが死んじゃう……?

 それを聞いておいらは目の前が真っ暗になった。


「だ、誰か、助けて! 誰かぁぁぁああ!」

「暴れんなっ!」

「あうっ……」


 もう一度頬を引っぱたかれ、おいらの口の端からつっと血が垂れた。

 自分の事はどうでもいい……でも、あの二人だけは絶対に助けないと。


「うぅ……」


 芋虫みたいに這いずろうとしたのを、背中をふんづけられて止められる。


「へっへっ、所詮お前らみたいな低ランクの雑魚は、俺らみてぇな上位者の餌になるしか能がねえんだよ……お前が慕ってるあいつだって、どうせAランクになるまでにさんざ悪事を働いて来たんだろうよ。そうでなけりゃあんな年で俺より強くなれるはずがねえ」

「あにきはそんな事しない!」

「いいや、そうに決まってらぁ。なぁお前らもそう思うだろ?」

「違いねぇ……ジェンドさんを殴る時のあいつの顔、悪魔のように嬉しそうでしたぜ」

「あんな邪悪そうなやつ見たことねぇ」

「ほれ見ろ、皆そうだって言ってるぜ? お前も言ってみろよ、テイルだったか……あのヤロウは他の人間を踏み台にしてやりたい放題してやがる大悪人だってよ!」

「言わないもん! あにきはそんな人じゃないもん!」


 おいらは悔しかった……幾ら言い返したってこいつらはこっちの言い分を認めたりはしない。だから絶対……おいらもこいつらの言うことなんか信じてやるもんか。


 おいらは里から出て来て、結構辛い目に遭った。少し見た目が違うだけで、皆はおいらの事を対等な相手とは認めてくれない。そして、”違う”相手には絶対に心を開こうとしてくれない。


 たまにミュラみたいな優しい人もいたけど……最初は近づこうと努力していたおいらも、そんな人達と接する内に、だんだん皆と接するのが怖くなって必要以上にとげとげしい態度を取るようになってしまっていた。


 でもあにきは、出会った時から違うと思った。チロルが懐いていたし、おいらを見るその目はまっすぐで、嫌な感じが全然しなかった。一緒に暮らし始めても、その姿はすごく自然体で、チロルもおいらもここにいていいんだって……すごく安心できたんだ。


「ねえ、助けてよ……おいらを売っぱらってもいいから! あの二人だけは生きてて欲しいの!」

「あぁん? てめぇ、まだそんなこと言いやがんのか……仕方ねえなあ」


 足元に取りすがるおいらの髪をジェンドがつかみ上げて、醜く歪んだ顔で言う。

 

「俺様の靴を舐めたら、許してやってもいいぜ? 命だけは助けてやるが、どうするゥ?」


 おいらはその顔を見上げた。


「本当に二人を、助けてくれるの?」

「ああ~このジェンド様、B級冒険者の誇りに誓って助けてやろう」


 一目で嘘だと分かるような下品な笑い……あにきはこいつを養豚だと言ったけど、豚が可哀想だと思うくらい。でもおいらは、わずかなりとも望みがあるのなら、そうせざるを得なかった。


「わかったよ……靴でも何でも舐めるよ」

「げひひ、そうそう、最初からそうしてりゃ良かったんだよ。ほらリュカ、犬みたいに舐めてみろ」


 かがんだおいらの前に、ジェンドは足を置いた。

 おいらは四つん這いになり、ゆっくりと顔をそこに近づける。


「ううっ……」


 悔しい……。

 涙がぽろぽろこぼれて来て、体が震えた。

 取り巻きの奴らの失笑が聞こえてくる。


 どうしておいらはこいつらより早く生まれて来なかったんだろう……もっと強くなってたら、こんな思いをしなくても済んだのに。あの二人の事をちゃんと守れたのに。


 それでもゆっくりと首を近づけて奴らの囃子声がうるさくなって来た時……おいらの耳が何かの音を拾った。


『――ゃぁぁぁぁぁぁ……!』


 か細い少女の悲鳴が聞こえた気がする。ばっと顔を上げてそちらを向いたおいらにジェンドは怪訝そうな顔をした。


「んだぁ? 口だけか? さっさとしねぇと……」


 そこでジェンドも体を奥に向ける。


「ちっ、テメェのせいで魔物が湧いちまったじゃねぇか。どうせコボルトなんぞ楽勝だがな、おいてめぇら、とっとと始末して来い」

「「へぃ」」

 

 取り巻きの数人が洞窟の奥に向かって駆けてゆき、ジェンドは再びこちらに靴を突き付ける。


「さあ俺達は続きとしゃれこもうぜ! どうせ誰も……」

「……まさか」

「あ?」

『ぎえぇぇぇぇぇぇぇ!』『ぐほっ!』


 さっきより随分近い所で重たい音が聞こえ、ジェンドはやっとそちらを向く。


「あいつら何やってんだ、コボルト風情に……」


 その時――おいらの前を、何かが駆け抜け、髪の毛がふわっと揺れた。


「っぶほぉぉぉぉぉぉっ!」


 それはジェンドの体を思いっきり蹴り飛ばすと、地面を激しく踵で削って止まり、こちらを向く。


「お~いチロル、気絶してんな! 着いたぞ、リュカを見てやれ」

「……うぅ、上下動が気持ち悪い……。リュカちゃん……良かった! 痛い所は!?」


 おいらはにじんだ視界の中で動く二人の名前を呼ぼうとしたが、声が出なくて、首を縦に振ることしかできなかった。



 ジェンド――あの時のクソ豚野郎を蹴っ飛ばした後、俺はリュカを肩越しに見る。


 大きな傷は無さそうだったが、赤く腫れた頬……そして悔しそうな、涙で塗れた顔で彼女がひどく苦しめられたのが一目で分かった。


 俺は黙って奴が立ち上がるのを待つ。


「て、てめぇどうやって……、どうやって抜け出て来やがった!?」

「……」


 そしてそのままゆっくりと間合いを詰める。


「な、なんだ……くそ、先生、魔法を!」

「チィッ……《アー……》……ぐはぁっ!」


 連れて来た魔法使いが残っていたが、無言のままそいつの腹にボディブローを突き刺して悶絶させる。


「な、せ、先生は現役のAランク魔法使いで……い、一撃で」


 油断して懐に潜り込まれる魔法使いなど……ただのアホだ。本当にAランクかどうかも疑わしい。まだあのコボルトシャーマンの方がマシだった。


 振り返ると俺は、再び無表情のまま奴と距離を縮める。より圧迫感を与え、恐怖を感じられるようにゆっくりと。


「あ、ああ、あり得ねえ……。ふざけんなテメェ……せ、戦闘スキル持ちでもねえ癖に。な、なんか言いやが……ぶごぉっ!」


 顔面を殴る。加減したので意識を失う程ではない。とりあえず殴る……とにかく殴る。だが腐りきったとはいえ奴もB級冒険者、体勢を立て直すと反撃して来た。


「ご、ごほっ……いつまで調子に乗ってやがる! こ、こうなったら俺の真の実力を見せてやる! 喰らえ、《アクスクラッシュ》!!」


 斧術スキルレベル30技能、《アクスクラッシュ》。

 上段から襲い来る熱風をまとった大斧の一撃を、俺はカウンターの構えで緩く迎え撃つ。


「《偽刀術・サカナミ》」

「なんッ……ぐぼぁぁぁぁぁぁッ!!」


 ――バシュッ。


 本来相手の力を利用して受け流しそのまま流れで一撃を加える技だが、あえて逆らう向きで力を叩きつけた。ステータスの暴力で強化された一撃が相手の大斧をへし折り、体に斜めの傷跡を刻む。


「ご、ごんなぁっ……お、俺の魔銀製の斧が! ば、化け物ぉっ!」


 奴は地面に尻餅を着くと、みっともなく後ろに這いずってゆく。

 俺はその後を、ただただゆっくり付いてゆく。時々素振りのモーションなどを加え、奴の精神をじわじわ削る。


「やめろぁぁぁあ、や、やめて下せえ……もう二度と、二度としませんから!」

「はっはは、豚野郎はぁ……何言ってっかわかんねーな」


 やめるわけがなかった。

 ブチ切れていた俺は怒りを発散させる様に、壁を背中につけた奴の体すれすれを狙い、突きを何度も繰り出す。


「あぎっ! はぎゃっ! 当たってる、血が出てます! 死ぬ!」

「そぉーか。それもいいかもな。どこまで大丈夫か試してみようか? ほらほら」

「ぎゃーぁ! 聞こえてんだろテメエ!」

「おっといかん、豚語は聞こえなかったんだった。すまんすまん。聞こえてないんだから加減しないようにしなくちゃな!」

「ひぎぃーっ!」


 ――ガシュシュシュシュシュ!


 身体の周りを高速で動く針のように穿つ……器用さがSSに達しかけている俺だからできる追い込みに男が耳障りなわめき声を上げた。


 既に豚野郎の体はぼろぼろだ。


「……テ、テイルさんが真っ黒なのです……」

「あ、あにき……」

 

 二人が引いている……だが俺は、止めるつもりは無い。こうして一緒にいる以上あいつは仲間で家族だ。それをああまで傷つけた以上容赦するつもりはなかった。だが……。


「ダメっ!!」


 ――ドンッ。


 後ろから抱き着いたリュカが、首を振った。


「あ、あにきッ! もういいから……」

「…………いいのか?」 

「それ以上やったらコイツ、死んじゃうよ……こんな奴、あにきが手を掛ける価値ない。だから……もういい」


 俺は深くため息を吐き出して、怒りを発散させた。

 その時もう既にジェンドは、体中あざと傷跡だらけになり恐怖で意識を手放している。


 この後穴でも掘って頭を残して埋め、魔物の好む果実の液体などを顔に振りかけて《コボルト塗れの刑》に処してやろうかと思っていたのだが、リュカがこういうのなら仕方がない。


「はぁぁぁぁぁ……チッ、クズ肉にもならねえ社会のゴミが! リュカの寛大な心に感謝して一生懺悔しとけ!」


 俺は吐き捨てると奴を捨ておき、リュカの体の状態を確かめる。


「本当に大丈夫だな? 痛い所があったら十倍にして返してやらにゃ気が済まん」

「うん。殴られたのはほっぺただけだから……でもあいつら、二人はここでお終いだって。それに、あにきのことがあんな奴らと同じだって侮辱したのに、あんな事しかできない自分が、悔しくて……」


 かがんで目線を合わせ、涙ぐむリュカの頭を撫でてやる。


「そっか……。でもな、俺だってそんな立派なもんじゃない。特に力の無い内は、小狡いことだってしたし、人だって見捨てたこともある。でもその度にやっぱりお前みたいに悔しがってた。次こうならない為にはどうすればいいか、どうなればいいのか……ってな」

「うん、おいら、もっと強くならなきゃ……。おいらがなりたいのは、奴らみたいのじゃないもん……あにきみたいに人を助けてあげられる冒険者になりたいから」


 冒険者なんて辞めたい……そんな弱音を吐くと思ったが、リュカの心は折れていない。なら、兄貴分としては、励ましてやる他ない。


「頑張れ。お前はきっと、”いい冒険者”になれるから。そうやって悔しがれるのは自分の弱さをちゃんと受け止めてる証拠だ。だから、きっと成長できるよ」

「ほ、本当……!? ……おいら、これからもっともっと頑張るから!!」


 するとリュカは涙を拭い、強く瞳をきらめかせる。


 ”いい冒険者”……何度も聞いた言葉だが、それが具体的にどんな者を指すのか、自分でもまだよくわかっていない。


 でも、そんな曖昧な言葉でも……こいつらのちょっとした自信になればそれでいい。


 頑張る、頑張ると繰り返すリュカを隣で見ていたチロルも口元を緩めると、元気よく会話に加わって来た。

 

「テ、テイルさん……わたしは!? わたしも”いい冒険者”になれますですか?」

「あ~なれるなれる。お前もなれる」


 さすがに何度も言うのは気恥ずかしく、おざなりに答える俺の袖をチロルは引っ張った。


「な~んか適当なのです? ……ちゃんと目を見てはっきりと、訴えかけるように言って欲しいのです! さあ!」

「嫌だね! なんでそんな小っ恥ずかしいことせにゃならんのだ……」

「リュカちゃんにはして上げてたじゃないですか! ずるいです! 差別なのです!」


 チロルも少しずつあの頃のおどおどした感じは無くなってきている。この頃の少年少女の成長は目覚ましい。


「ああも~うるせえな! ミュラに報告もしないといけないんだし、とっとと戻るぞ! リュカ、背中に乗れ!」

「……うん!」


 だがこれ以上要求されるのも面倒臭いので、俺は傷ついたリュカを背負うと足早にその場を去り出す。


 ……ジェンド一味はあれだけの事をやったのだ……きちんと報いは受けてもらう。

 リュカの話だと他の冒険者に対しても、同様の事をしていたとほのめかしていたらしいし、調べてもらえば他の冒険者からも被害報告が上がることだろう。恐らく冒険者資格を剥奪され、もしかすると牢獄行きの可能性もあるが、そんなのは俺達の知ったことじゃない。


「……へへ、あにきの背中、あったかい」

「こら、あんまりごそごそするな……」

「むー、リュカちゃん羨ましいのです……私にももっと優しくしてほしいのです~! ま、待って下さぁ~い!」


 こうして無事危機を切り抜け……後ろに大騒ぎするチロルを残し、俺達はミルキアの街へ帰る為ゆっくりと歩きだした。

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