第194話 謎多き夢
「…………夢?」
見慣れた…と言うより、あの時泊まった時に使った部屋の天井だ、外は既に暗黒の世界が支配しており、月明かりと星々の光が部屋を少し照らす。
(いつの間に寝てたんだ?)
体を起こし、背中を伸ばすパキパキと骨が鳴る音が聞こえる、多分5~6時間は寝ていたのだろう。
「…久しぶりにまともに寝たな。」
ミュウと出会ってから意地を張って生活していたが、最近はそれも出来なくなって来ていた、"くま"も酷く誤魔化すのも日に日に厳しくなっており、バレるのも時間の問題だった
「まぁ結局バレてしまったけど…」
そのせいで白昼夢と…
「…白昼夢?…そういえばさっき見た夢は…」
不思議な女の子とそしてエイト達(?)白昼夢と似ている点が多い…
「これは本当に白昼夢なのか?」
それとも自分の英雄の能力が見せる未来予知?
「それにしても…不可解な夢だ、似た様な夢(?)を2度も…しかも1日で見るなんて…」
布団から出て、窓を開ける、まだ頭が覚醒していなかったが、外の風を浴びる。
眠れない時はいつもそうしているが、今回は心を落ち着かせる為に外に出る。
(………)
落ち着かせると言っても頭の中で今日の夢を整理するだけだ。
まず白昼夢での事だ、曖昧だが自分は何者かに負ける夢を見たあの時は自分がやられ、ミュウが悲しんでいる姿だけだが、よくよく思い返せば、"人が多かった"
気のせいかもしれないし、2回目の夢のせいでそう思っているのかもしれないが、あそこにも"あの子達"はいた。
そして2回目、白昼夢ではなく普通の夢だが普通にしてはリアル過ぎた。
匂いや感覚と言った事はなかったが、周りの風景、景色、夢にしては正確過ぎる、それに…
(あの子達…何故か"知っている"、理由はわからないが、彼女達は初対面の筈なのに知っている。)
のじゃっ子ともう1人、自分を兄様と呼んだあの子…あの子は………
「wk.'g…に似てい…え?」
どう言う事だ?、名前が言えない…わからない…いや、わかるのに、"わからない"
「うぐっ…駄目だ頭がおかしくなる…何故だ?…知っているのに"知らない"、わかっているのに"わからない"、覚えているのに"覚えていない"…っ」
例えると試験の時に出される問題で、何処かI問、わかる問題なのに、何故か頭の中では思い浮かばない、文字に書けない、あの感覚と似ている。
「考えれば考える程、頭の中にもやが出てきてこんがらがって来る。」
外に出たのにも関わらずその頭は更に熱くなる、そのせいで全く落ち着かない、何とか解決させようと考えるが…やがて、
「…寝よう」
もう頭がパンクしてオーバーヒートしているこれ以上考えても何も出てこないだろう。
「と言う訳でシルフィ、ホットミルクを頼む。」
「かしこまりました。」
「ミュウ、お前は俺の抱き枕な?」
「みゅ」
絶対に1人だったはずなのに、名前を言って指示したら声が聞こえて、さも当たり前かの様に動く。
「…何故バレたし」
「…俺の安眠道具だからかな?」
「ろくに眠れないのに?」
「無い方がキツいんだよ。」
そう言ってエイトはミュウをギュッと抱きしめる。
そうこうしているうちにシルフィがホットミルク(超強力睡眠薬)を持ってきて、エイトはそれを飲む。
そしてミュウの胸に顔を埋めて寝る、ホットミルク(超強力睡眠薬)とミュウ(抱き枕)のお陰でエイトは珍しくすぐに寝息を立てる。
「全く、少しは私達を頼ってよね、家族何だから。」
「では、私はこれで」
「ありがとう、シルフィ」
そう言ってシルフィは部屋から出る、ミュウはエイトの頭を子供をあやす時の様に優しく撫でながら、ミュウも深い眠りに落ちる。
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コメントでも頂いたのですが、投稿ペースを落とそうと思います。(とは言っても1日2話から1日1話に変えるだけですが…)
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