第105話 勝因と敗因
「全てお見通しなら、教えてほしい事があるのですが?」
と、エイトは質問する
「別に全てお見通しと言う訳ではありませんが、貴方達が聞きたい事はわかっていますよ?」
「え?」
まだ聞いてもいないのに知っている様な口ぶりにアリアンを筆頭に驚くが、相手が学園長だと考えても意味はない、ミュウは学園長に質問する。
「では、教えてくださいますか?何故カイトは…いえ、カイト達は何故あそこまで強くなっているのですか?」
「やっぱりそれでしたか。」
カイト(達)は今回の戦いで、2人が少し押される程度には強くなった
しかし、あの時のままだったら確実に負けていたし
実力も王国騎士団には余裕で入れるだろう実力はあった。
しかし、シルフィのトレーニングをやっている時にその様な話は一切してこなかった
カイトの事だ自慢げに話しかけて来ると思っていたがそれも無かった。
だが、今回確実に強くなっている
何かしらのことをしたのは間違いないのだ。
「彼等は闇市場などで売られている種を食べていたのだ。」
「種?」と、エイトは言う
学園長は頷き「そうだ」と言って続けて
「1つ食べれば何かしらのステータスが少し上がる種だ。」
と答える
「それだけであそこまで強くなるのですか?」
シルフィの質問はごもっともだ、それだけ強くなるのなら、他にもカイト並みの人達は多くいるだろう。
「確かに、1つだけではそこまで強くならん、しかし私が得た情報だと、軽く1万を超える種を買い占めたらしい。」
「1万!?…よく食えたな…逆に凄いよ…」
とアリアンは驚く、それもそのはず。
相当な数だ、これを食べたとなれば相当ステータスは上がるだろう
しかし
「まぁエイト君達が言った様にそれだけなのだがな。」
「ええ、これで謎は解けました。」
「ありがとうございます。」
エイトとミュウはそう言ってお礼を言う。
学園長は笑いながら話す。
「いや、君達は実に面白い、今後も困ったことがあったら話しなさい、可能な限り助けよう。」
可能な限り、と言う事は絶対ではないと言う事だ、それでも学園長がカイト側ではないのでそれだけでも心強い。
「では、私は失礼するとしよう、後片付けもしっかりとやらねばならないからな。」
そう言うと学園長は他の教師達を呼んで
カイトを保健室に、生徒達を解散させ
周りに散らばった物の片付けなどをやり始めた。
「なぁエイト」
「ん?」
そんな中、アリアンはふと思った疑問をエイトにする。
「さっき言っていたそれだけってどう言う事だ?あたいにはわからないんだけど。」
「ああ、あれね、そうだな、ここでは邪魔だから教室に戻りながら話すよ。」
「わかった」
そう言うとエイトは教室に向かって歩き始め
ミュウ達も続いて歩き始める。
「あれは、カイトと戦って感じたことなんだけど。」
「うん」
「あいつは確かに強くなった、それは間違いない…けど。」
「けど?」
「文字通り、それだけなの。」
「?」
アリアンはわからない、と言わんばかりに頭を捻る。
「つまり、強いだけで私達みたいにトレーニングしてない為、動きや剣の持ち方、そのステータスにあった動きが全くなかったと言う事ですね。」
とシルフィは説明する。
カイトは種を食べ続けた事でステータスは上がった。
しかし、ステータスと言うのは自分が鍛えていく事でその感覚を掴んでいくので
いきなり上がっても何もしなければその力に振り回されるだけで本来の力は十分に使えないのだ。
日本で例えるとすれば、不思議な飴と言われるレベルが上がる道具でレベルを100にするのと、地道にモンスターを倒してレベルを100にするのでは力の差は全く違う、と言う事だ。
逆にエイト達はシルフィに扱かれた事で
実戦に近い戦闘を行い、自分の長所、短所を理解しながら強くなれた
今回の戦いの勝敗はこの差で決まったのだ。
「成る程ね」
そう言ってアリアンは頷く。
「まぁカイト達はそれに気づかず、また勝つ為に食べ続けると思うけどね?」
「今回負けた理由は全然食べなかったから、とか思ってそう。」
エイトとミュウはこの程度で懲りないと思っている。
今回の件で諦めてくれたら良いのだが
そんなんで諦めてくれたら苦労はしない
しかし今回の戦いで当分の間は来る事はないだろう。
「後3年、先は長いですねぇ、アリアン様?」
「やめて、本当に病む。」
そんなことを言いつつ
4人は、自分達の成長を(特にエイトとミュウは)実感し、これからも精進していこうと
強く誓った。
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連載中に新たな作品を書くのはいいけど
それ以降書かなくなって
そしていつの間にか失踪するのは
やめて欲しいですよねぇ
まぁ私は書き終わるまでは他の作品は書かないし、失踪するくらいなら引退宣言するけど
引退はしない…多分
(学生なので社会人になったらわからないけど、投稿ペースを落として更新するかも知れませんね(^◇^;))
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