第81話 予期せぬ訪問者

~その日の夜~


「ご馳走様でした!」


「…美味かった。」


「お粗末様でした。」


「エイトさん、助かりました。」


夜、食事の手伝いをしたエイトは食器の片付けをシルフィと共に始めた


「本当、エイトって料理上手だよねぇ。」


「ん?食べた事あるの?」


「ええ、むか…お弁当をお昼の時に貰ってね、その時に食べたの。」


「ふーん…そっか。」


昔の前世の時に食べてた、なんて事はシルフィとエイト以外には言えない

言った所で、信用なんてされないだろう


(あのクソッタレカイトも覚えている節があるから、更に用心しないと。)


あの妄想癖が激しい男にこの事がバレて仕舞えば、「僕の為に思い出してくれた」

とか言うに決まっている

そんなのは絶対に嫌だ


「アリアン、エイトが作ったケーキ食べる?」


「…あいつ何者だよ。」


エイトとシルフィが戻って来るまでの間

ミュウは食後のデザートとして作ってくれた

いちごのショートケーキをアリアンと一緒に食べ始めた


~キッチン~


「ミュウ様が羨ましいです。」


「え?」


食器を洗いながら、シルフィは話しかける

それは過去の記憶を懐かしむ様に


「私が猫だった頃、エイトさんの手料理なんて食べた事なかったですから。」


「猫に人間の飯を食わせるかよ。」


でも今なら、こうして同じ食卓を囲む事が出来る、同じ物を笑いながら、楽しみにながら

食べる事が出来る


「元猫だった私だから言えます、幸せだと。」


「それは猫じゃなくても思う事だよ。」


「そうですね、特に貴方と一緒にいられる事が何よりも幸せでございます。」


そう言って食器を洗っている手を握り締める

それもただ握るのではなく、恋人繋ぎである


「ちょ!?」


「駄目ですか?この世界は一夫多妻が当たり前の世界、日本と違い重婚も出来るのですよ?」


そう言って頬を赤らめてこちらを見つめる

その姿がとても可愛くて、心がときめいてしまう


「それにミュウ様とはまだ正式にお付き合いしてないじゃないですか、なら私にだってチャンスはあって良い筈です。」


「そ…それはそうだけど…」


それに建前とは言え、エイトはミュウ、シルフィ、アリアンを好きだと言っている

それが本当になるだけだ


「駄目ですか?…私はあの雨の日、死にかけていた私を救ってくれた日からずっと好きでしたよ?」


「シルフィ…」


男としてこれ以上嬉しい事はないし

エイトもシルフィの事は気にかけてはいる

ただ…やはり…


(俺はカイトじゃない、だけど)


もしカイトがいなければ受け入れてしまったかもしれない、けどミュウとの了承もあるし何よりカイトの様なハーレムは死んでもごめんだ


「…………」


「………(わーお)」


「………」


そんな葛藤の中、背後からの殺気を感じで振り返るとミュウが真顔でこちらを見つめていた


「…何してるの?」


「何って…食器を洗っていたのですが?」


「そんなに密着する程?」


「程です。」


「…ふーん、そっか。」


「ええ…そうですよ?…フフッ」


脂汗が止まらない、とてつもなく恐ろしい程の渦がここを支配している


そんな中、ミュウは一言


「………1番は私だから。」


「え?」


ミュウはそう言うと背中を向ける

そして続けて


「エイトが好きな気持ちは誰にも負けないから。」


「…私もこの想いだけは誰にも負けないつもりです。」


そう言うとミュウは歩きs「大変だ皆んな!!」


「ふぎゅっ!?」


「……わぁ、台無し。」


「これがミュウ様ですから。」


「シルフィ…痛いぃ…」


アリアンが勢いよくドアを開けて入って来た為、カッコよく出ようとしたミュウの顔面を直撃する


シルフィに抱きついて泣きじゃくるミュウを無視してエイトが話しかける


「それで、何が大変なんだ?」


「あ…ああ、そうなんだが…いいのか?」


「大丈夫です、馬鹿は痛みを感じないので。」


「馬鹿って何よ!馬「わかった」アリアン!?」


「話を戻すよ、今外に人がいるんだが……メグミって奴なんだ。」


「…え?メグミが?」


その話を聞いて、エイト達は外へと向かった


——————————————————————

投稿忘れてました(^◇^;)









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る