第4章 交差する思惑

第57話 次の日の朝


「…なぁ、何かあった?」


朝、4人が食事をしている時その異様な空気にアリアンがツッコむ


「…えっとね、s」


「別に特になんともないよ?」


「そうですね、なんの問題もありません。」


「ねぇちょっとわt」


「そうか?なんか空気がいつもと違うと言うか…」


「」


「空気?俺は初めてここに来たからわからないけど…」


「取り敢えず、早めに食事を済ませましょう。」


「あn」


「そうだな、すまないな朝から変なこと言って。」


「気にしなくていいよ…って上から目線すぎるか?」


「みゅぅ…」


ミュウを意図的に無視していたらついに泣き始めてエイトの所に来てしまった

この世界ではまだ恋仲ではないが前世の記憶を取り戻した影響だろう、自然と来てしまった


「よしよし、ちゃんと朝食食べような?」


「誰のせいだと思ってんのよ!」


「ミュウ様」


「ミュウだな」


「ここは悪魔しかいない。」


それを束ねる魔王のお前が何を言う

と3人は思ったが、これ以上は可哀想だと思い、ここからは普通に食事を始めた


——————————————————————

〜馬車の中〜


食事を終えた4人はカイト達が来る前に学園に行きたい為、すぐに準備をして馬車の中に乗る


「本当…馬車の中って不便ね。」


「不便?」


「うん、だって乗り心地悪い、痛いし、寒いし、熱いし。」


「それは贅沢言い過ぎだぜ?あたい達の乗っている馬車だって結構高いんだぞ?」


この時代の馬車は日本で言う中世ヨーロッパでも近代的、もしくは古代ローマあたりを彷彿とさせる


ミュウ達が暮らしているカルデア王国は交通整備が出来ているため比較的乗り心地はいいだろう、しかし我々現代日本人が乗るとなると作りが違う為、多少なりとも違和感は感じるだろう


(露骨に前世の記憶が戻ってるな)


前世の日本では自転車、バイク、自動車等様々な乗り物があり

ローラー

一輪車

ソールスケート、子供達が遊ぶ為の遊具も存在している


それに比べて仕舞えば天と地ほどの差はあるだろう


「…ミュウ様、先程から聞いていますが、少し変わりましたか?」


「え?」


「…いえ、確かに馬車に対しての文句は昔から聞いていますが、先程からの発言だとまるでこれより良い乗り物を知っているかのようでしたよ?」


「気のせいだろ?てか、これ以上に便利な乗り物なんてないだろ?」


シルフィが鋭い事を言うのでエイトが遮って話を終わらす、前世の記憶があるにせよ

それを人前で言うわけにはいかない


それが周りに回ってカイトの耳に入ればどうなるかわかったものではない


「…そうですよね…失礼しました。」


何かを察したのか、シルフィはそれ以上追及することはなく

それ以降他の雑談で時間を潰した


「それにしても…魔王…か、一体どう言う意味での魔王なんだろうね?」


鑑定の儀式の日、エイトとミュウの2人が前世の記憶を取り戻すきっかけとなった日

エイトは英雄にミュウは魔王になった


勇者は最悪にもカイトがなったが、それ以外の職業剣聖、聖女、賢者の3人は見つからなかった(普通に考えればそうだけど)


「私にもわからない。」


(でもこれが私が想い描いた魔王なら…)


謎は尽きないが、取り敢えず今は目先の事を考える


「あたい達もそこそこの職業だし、気をつけないとな。」


「ええ、あの男が何を仕出かすか…これからの生活が思いやられます。」


今はまだ世界を脅かす厄災が動き出していない為、なんともないがもしそれが動き出せば

あの馬鹿はミュウ達を3人を連れて行くだろう


そんな未来を予想して4人は寒くもないのに身震いをした


——————————————————————

本編再開しました、まだまだ続きますので応援よろしくお願いします🥺


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