第8話
ソファから腰を浮かせ、
完全に
「な、なんだい? どうかしたのかな?」
「俺は常に人を
「それはなんとも、
やかましい。――と内心思うが、今はそんな
「だからこそ、
「なんのことだい? 私は嘘をついていないよ?」
「ああ、嘘はついてないな」
「ほらほら、そうでしょう?」
「でも、後ろめたいことを隠してはいるな」
余裕の表情を浮かべていたシリがピタッと動きを止めた。
同じく後ろめたいことを抱えているクズにとって、
「貴族の人間関係を聞いた時は、
「それはほら、僕だって管理している地域が広いからね。モンスターの
「本当か?」
「
「国内外の権力争いより、モンスター対策が傭兵ギルドの専門分野だ。傭兵ギルドの長であるお前が、
顔を更にずいっと近づけて
シリはその分だけ顔を後ろに
「――そうだねぇ。確かに、
「ああ、確かに嘘をつかないように慎重だったな。――貴族からの襲撃は『ない』と言い切ったのに、モンスターの種類については――『とかかな?』と
シリが息を飲んだ。
たらたらと汗が額を、頬を流れていく。
「そもそも、そんな低級モンスターしか出てこないなら傭兵団含めて百人もの護衛を用意するわけがないだろう?」
「――――っ」
「……へいシリ」
「……はい、私はシリです。こんにちは」
「どういうつもりだ?」
「すみません、質問の意味がよくわかりません」
「変な声でとぼけんな。いいから正直に全部答えろ。道中にはどんなモンスターが出るんだ?――危険なモンスターも含めてだ」
「……そ、そうだねぇ」
もはや隠し通すのは無理と悟ったのか、視線を
そして明るく
「――多分、キマイラとかサイクロプスの
てへっと額に手を当てて、あざとく小首を
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