『これが神々による異世界創造ゲーム!?:序章』~秋葉原で出会った狐耳メイドな女神に口説かれ異世界へ転生し第二の人生を得たケモミミ少女の前日譚~

釈 余白

第0章 異世界転生ってホントにあるの!?

第1話 女神と異世界は不健全?

 とある日、それは両親が交通事故で他界して三年目の命日のことだった。本当ならばお花でも用意してお墓参りに行きたかったが、慌ただしく仕事に追われる日々のためこんな時間まで退社できず、一人で仕事を片付けていた。


 そんな大切な日にも関わらず、部署に新規配属された女性の歓迎会の予定も有り、当然七海も参加することになっていた。仕事の後始末に手間取り遅くなったけど、顔出しだけでもしておこうと開始時間から大分遅れて居酒屋についた。


 乱雑に置いてある瓶から手酌でビールを継ぎ、コップを持ってコソコソと隅の方に座る。ふと周囲を見渡すと歓迎会はまあまあ盛り上がっているようだ。男性社員たちからちやほやされている新人女性は七海よりも大分若いと言うだけでなく華があり、かといって嫌味な雰囲気でもない。


 どう見ても場違い感のある七海とは住む世界が違うと言う言葉がピッタリだ。誰に相手にされるわけでもなく存在感のかけらもない自分が情けなくなり早々に店を出た。


 コンビニへ寄ってからアパートへ一人帰りつき、両親の写真へ手を合わせていると涙があふれてくる。ビールやチューハイの空き缶が転がったままの部屋は、これでもかというくらいに散らかっているが、これももう見慣れた風景だ。それでもこういう気分のときには絶望感増大に一役買ってしまう。


 これ以上生きていてもいいことなんてないだろうし、いっそのこともう死んでしまおうかと考えることもしばしばある。しかしそんな度胸も決断力もなく今に至っているのだった。


 すでに軽く酔っていることだし、さらに強いお酒を大量に飲んだらそのまま目覚めず楽になれるかもしれない。そんなことを考えながら転がっていた洋酒のビンを持ちラッパ飲みする。ついでにさっき買ってきたエナジードリンクと先日処方された睡眠導入剤も全部一緒に飲んでしまった。


 二年ほど前から、夜になると一人枕に顔を押し付けて泣き出してしまうことが多くなり、意識がなくなるくらいまで酒をあおる日が続いている。初めてかかった心療内科では軽いうつとアル中の兆候があるなんて言われ、治療に行ったはずがよけいに精神的ダメージを負って返ってくる始末だった。


 半分ほど残っていただろうか。手に持ったウイスキーの瓶はいつの間にか空っぽになっていた。意識はもうろうとし、かなり酔いが回っている。こうなるともうこの世のすべてがどうでも良いなんて思い始めることにももう慣れてしまった。


 いっそのこと首でも吊ろうかと思ったが、都合よくロープなんてない。それならばと、着ていたブラウスを脱いで首にかけ袖を縛る。輪になったブラウスをドアノブに引っ掛けて横たわってみると…… ブラウスがノブに上手く引っかからず床に放り出され頭を強打してしまった。


私は一体何をしているんだろう、頭は痛いわ行動は情けないわで溜めていた涙がとうとう零れ落ちていく。そしてそのまま意識を失っていくのだった



◇◇◇



『ピピピピ、ピピピピ、ピピピピピピピピ……』


 さっき止めたはずのアラームがまた鳴っている。そうかスヌーズか…… と頭に浮かんだ瞬間、慌てて飛び起きる。


 昨晩は久し振りに最悪級に悲しく情けない夜だった。寝ぼけ眼をこすりつつ頭痛に耐えながら何とかシャワーを浴びて着替えたが、スカートは変えを洗っていなかったので昨日と同じものをもう一度履くしかない。とは言っても誰かが七海に興味を持つはずもないので、そんなことどうせわからないだろう。


 歓迎会での行動もそうだが、帰ってから自分がしたことを思い返すと情けないし恥ずかしいし悲しい。それに加えて酒臭い。なんといっても目が覚めたら上半身下着姿でウイスキーの瓶を持ったまま床に転がって値ていたのは最悪だ。一体何がしたかったのかと自問自答するも答えがでるはずもない。


 本日は朝のミーティングの後外回りの予定が有り、秋葉原のゲームショップへ出向きお店のオリジナルキャラグッズについてプレゼンすることになっている。以前も取り引きしたことのある会社だが、あの時はまだ知名度がいまいちだったキャラクターのアクリルキーホルダーを大量受注し大喜びしたものだ。


 しかしその後売れ行きが芳しくなく、担当者からことあるごとに呼び出され嫌味を言われることが多くなっていた。それでもめげずに通い続け、数か月前にサービスで作成した等身大ポップが功を奏したのか、キャラクター人気は上昇中らしい。


 今日はグッズ第二段の作成についてだが、さすがに今回は無難にクリアファイルかダイカットのステッカーを提案するつもりだ。なんといっても売れなかった場合にお買い上げ特典として気軽に配れるくらいコストが安い。でもあの担当さんは結構無茶なものを作りたがるからやや不安である。


 そんな不安が滲み出ているせいかわからないが、今日はやたら客引きに声をかけられる。ビジネススーツ姿でパンパンに膨れた書類カバンを持っているのだから、どう見ても営業職が外回りしている最中だとわかりそうなものなのに何度も声をかけられてしまう。


 まあそんな日もあるにはあるのだけど、今日は運の悪いことに七海の横を歩いてついてくるしつこい女性に出くわした。クラシカルな長めのメイド服に身を包み、頭からは狐の耳が生えている。なんとフェティッシュな格好なのだろう。しかもバストが信じられないくらい大きくて、羨ましいを通り越し肩が凝りそうという感想が先に出るくらいだ。


「ねえねえそこ行くお姉さん?

 今の生活が嫌で逃げ出したいならとってもいい世界があるよ。

 騙されたと思って騙されてみない?」


 いやいや、騙す気満々じゃないか、と心の中でツッコみを入れながら七海は無言で歩き続ける。しかし諦めの悪いメイドはまだついてくる。


「実は私、豊穣の女神という神様なんだよ?

 信じないと損しちゃうよ?

 ねえ、ホントにホント、夢のある生活が待ってる素晴らしい世界へ行ってみない?」


 今まで出会ったどの客引きよりもうさんくさいことこの上ない。見た目はいかにも男性受けしそうだけど、話している内容は馬鹿げていて話を聞くに値しない。どんな店かはわからないが、これじゃ誰一人引っかかることはないだろう。


「まあ信じられないのも無理はないよね。

 だって自分で言ってて信じがたいと思うもん。

 だけどこれ見ても信じられないかな?」


 そう言うと狐耳メイドは七海の正面へ回り込んできて自分の髪の毛を掻き上げた。するとそこには本来あるはずのものがないではないか。彼女が髪の毛を掻き上げた場所、そこには本来耳があるはずだ。念のためだけど、頭の上に狐耳はある。でも違うそうじゃない。人間としての耳がついていない!


「ビックリした?

 ちょっとだけ信じる気になった?」


 あまりにビックリしてしまったので思わず返事をしてしまう。


「え、ええ、ビックリしました……

 それじゃ頭の上にある動物の耳が本当の耳ですか?」


「その通り~」


 女神だと名乗ったその狐耳メイドは、楽しげに人差し指を立てながら返答しつつ、頭の上の耳をピクピクっと動かして見せた。


「それじゃもう一つ驚かせてあげる。

 ちょっと見ていてね」


 そういうと狐耳メイドの女神は、通りを歩いている人たちの肩をポンポンと叩いたり耳元で大声を出したりした。しかし誰一人として彼女に気付くものはいない。


「どう? 今の私は普通の人間からは見えてないし、存在を知られることもないよ?

 これで私が女神だって信じるしかなくなったっしょ?」


 確かに目の前でここまで見せつけられると、この狐耳メイドの言っていることのすべてが嘘ではないと思えてくる。少なくとも普通の人間で無いことは確かだろう。


 だからと言って、素晴らしい世界とやらがあるなんて荒唐無稽な話を鵜呑みにはできない。指摘の通り今の生活からは逃げ出したいと思ってはいるし、毎日何もいいことは無い。でもその原因を作っている要因のほとんどは自分自身にあるのだ。それを自覚しているからこそ、どこにも逃げ場はないと分かっているのだけど……


 結局のところ、通りすがりの怪しい人にそんな馬鹿げた話を持ちかけられるくらい、七海ははたから見て病んでいるように見えると言うことなのかもしれない。考えれば考えるほど悲しくなってくる。


「まああんまり深く考えずに聞いて?

 私は豊穣の女神といって、沢山いる神々のうちの一人でとあるグループに属してるの。

 で、そこで異世界創造ってのをしてるんだけど、欠員が出たから適任者を探してるってわけよ」


 今まで言っていたことも信じがたい内容だったのに、さらに設定が追加されて頭が混乱してくる。一体この人、いや狐? は何者なのだろう。ゲーム会社か何かの人? もし本当に女神だとしても、神を名乗る割に威厳がないと言うか、やけに馴れ馴れしすぎやしないか?


「今うさんくさいって思ったでしょ?

 それは否定しないけど本当のことだからまあ聞いてよ。

 異世界創造に参加している神は九人いるんだけど、それぞれ一人ずつ異世界へ連れて行っているの。

 少し前に私が担当していた子がやめちゃってね、次に連れていく子を探してんのよ」


「それで今の生活に嫌気がさしているのがありありと出ている私に声をかけたってことですか!?

 今日たまたま見かけただけの私に?

 まあ絶望しているのは否定できませんけど……」


「ま、当たらずとも遠からずって感じ?

 実は前から目をつけててさ、適任かどうか調べていたのよね。

 いわゆる身辺調査ってヤツ?」


 探偵なのかストーカーなのかわからないけど、ますます発言が怪しくなってきた。そんなことより客先へ行く時間が迫ってきている。今日の七海にはこんな変人に付き合ってる暇なんてないのだ。


「話は分かりましたけど興味ないので私もう行きますね。

 仕事に遅れてしまいますし」


「そんなこと心配しないで全部ほっぽり投げちゃえばいいのに。

 この絶望の世界にサヨナラして素晴らしき異世界へ行こうよ」


「そう言うわけにはいきません!

 絶望していたって疲れていたって仕事には責任を持ちたいんです!」


 七海が強めに拒絶すると自称女神は少し驚いたようだ。これで解放してくれると助かるのだけど、と考えつつ踵を返し歩き出そうとした。


「七海ちゃんはマジメなんだねえ。

 それじゃ仕方ない、時間がないって言うなら作ればいいでしょ?」


 この人こちらの名前まで調べてあるのかと思ったその瞬間、周囲を歩いていた人たちが一斉に立ち止った。いや歩きを止めたのではなく完全に止まっているように見える。


「もっとお話ししたいからさあ、時間止めといたよ。

 これならまだ平気だね」


 にっこりとほほ笑む狐耳メイドのその姿が悪魔の手先に見えてくる。


「ちょっと! こんなことして平気なんですか?

 なにか事故とか体に悪い影響とか、そう言うことにはなりませんか!?」


「平気平気、問題ナッシング。

 そうやってなんでも考えすぎちゃうから、普通に生きてるつもりでも心を痛めちゃうんだよ?

 もっと気楽に楽しく、力を抜いて緩く生きていこうよ、異世界でさ。

 そりゃ異世界へ行けば何でも解決、大金持ちになれて彼氏も出来てバラ色の人生なんて無理よ?

 でもじゃあ今のままの生き方で何かに期待できるわけ?」


 痛い…… 心も痛いがその他も色々と痛い……


「確かに今のまま生きていたって、この先いいことなんてなさそうなことくらいわかってます。

 だからと言ってそんな詐欺にしか聞こえないような話、聞く価値無いと思います!」


「でもそろそろ私が神様だってことくらいは信じちゃったでしょ?

 なんたって時間まで止めちゃったからね。

 あんまりいい人生送ってきてないから疑い深くなってるのかもしれないけどさ。

 七海ちゃんには、これを転機に幸せに生きてほしいと思ってるのはホントだよ?」


「そもそもなんで私の名前を知ってるんですか?

 今日もこの通りで待ち構えていたらしいですし、いろいろ怪しすぎますよ……」


「それはさっき言ったでしょ、身辺調査済みって。

 異世界へ送って行くにはいくつか条件があるのよね。

 その中で一番重要なことは、いまの人生に絶望しているけど攻撃性がないこと。

 つまりは自暴自棄になって事件を起こすような思想の持ち主じゃ困るってわけよ」


 そりゃまあ過激思想の持ち主では都合が悪いと言うのはわからなくもない。


「異世界へ連れていくこと、まあわかりやすく転生って言うね。

 これは凄く特別なことなのよ。

 創作でよくあるように、事故死したから転生とかゴロゴロしてるだけの子が転生なんてもってのほか。

 まあ他の神々のやることは勝手だしどうでもいいけど。

 とにかくうちらのグループでは御法度ってことで、じっくり吟味厳選した子だけ連れて行くの。

 しかもたったの八人よ?」


「異世界を作っている神様ってそんなに大勢いるんですか?

 そう言えば女神様たちのグループは何人でしたっけ?」


「ん、うちらは今のところ九人だね。

 もう五千年くらい同じメンバーでつるんでるよ。

 そんで近年になって人間たちの創作物に興味を持ってね、特にRPGゲームがお気に入りなんだー。

 元々は地球のコピーを作って、それがどーゆー風に文明発展するか観察してたグループだったのよ」


「それってなんか生命に対する冒涜っぽく聞こえます……

 一生懸命生きている人を眺めるゲームがそんなに楽しいですか?」


「まあ聞いてよ。

 でもね、四千年以上経っても猿は人間にならなかったし、知的生命体が生まれることもなかったの。

 なにか特別な条件、まあ自然現象かしら、そういうものが偶然産み出したのが今の地球ってこと。

 これ以上観察し続けてもなにもおこらなそうだし、かといってそのまま放置もひどいでしょ?

 だから自分たちで作った知性を持った人類を、その地球のコピーへ住まわせることにしたってわけ。

 それが六百年くらい前のことかな」


「それはさっき言っていた八人以外にってことですか?

 聞いていてあまり気分のいい話ではありませんね……」


「趣味が悪いって思った?

 まあそれも価値観の一つだね。

 でもね、人間同士が戦争で殺し合うのとか、富の集中や飢餓を放置するよりは大分ましじゃない?」

 かといって神がなんにでも口や手を出して調停していく世界も、それはそれで違うと思う。

 だからある程度の文化文明が発展して以降、神々は放任主義へと変わっていったのよ」


「だから自分たちが思い通りにできる世界を作ったってことですか?

 ゲームとして楽しむための世界が異世界?」


「勘違いしないで貰いたいんだけど、思い通りにしたいわけじゃないよ?

 そこに生きている人たちには、人生を食いつぶされるんじゃなくて、自分のために生きてほしいだけ。

 もちろんわがまま放題してほしいって意味じゃないけど、あなたなら意味わかるよね?

 地球から連れて行った子たちも、元々向こうで産まれた子たちも、等しく私たちのかわいい子供だもん。

 でも色々と現代のゲームを参考にしてるから、ついゲームって言ってしまうのかもね」


「それはわかるけど……

 ゲームって言うから感じ悪いんです

 かといって実験とか観察って言われてもいい気はしないけど……」


 七海はいつの間にか真剣に話をしていた。真に受けているとは言えないけど、全て疑っているわけではなくなっていると感じる。


「実験だったら結果から知見を得て、そこからなにか発展させようとするものじゃない?

 でも私たちがやっているのは見ること以外特に目的がないから観察なのかな。

 人間と違って魚や野生動物を閉じ込めたりはせず、自由にしてもらってるけどね」


「正直に言うと、女神さまの存在やお話自体は信じるしかないと思ってます。

 かと言って私自身がそこへ行きたいかと聞かれたら、行きたくないとお答えするしかありません。

 確かに今は辛いことばかり続いてるけど、いつかはその反動でいいことばかり続くかもしれない。

 私はそう言う風に思っていたいんです」


「そっか、わかったよ。

 七海ちゃんの人生だから自分のために使えばいいもんね。

 でもね、じゃあなんで自分の命を絶とうとなんて考えたの?

 今の人生に絶望して惰性で生きているからじゃないかな?」


 そんな…… 昨日の出来事さえ知っているのかと驚き、なにも言い換えず言葉が出てこない。確かに昨日の七海はどうかしていたのかもしれない。かと言って考えてもいないことを行動に移したわけでなかったのは自分自身一番わかっている。


「あのさ、七海ちゃんってば悪いことばかりの人生だって自覚があるのでしょ?

 それなのにまだ未来に希望を持ってるんだもん。

 だったら希望が持てる未来を掴んでほしいって思っちゃったのよね。

 そういう人の方が次の人生を楽しんでくれそうでしょ?」


 これは反則だ。今まで誰も手を差し伸べてくれなかった七海にとって、涙を流すに十分な言葉だった。中学で孤独になった時も、両親が事故で亡くなった時も独りだった。そして自暴自棄になっている今も頼れる人は誰もいない。


 でももしかしたら、このうさんくさくて怪しい自称女神なら、七海の手を引いてくれるのではないか。そう思ってしまいそうになる。でも確か怪しい新興宗教の勧誘も似たような手口と聞いたことがある。結局七海には他人を信用することなんて出来るはずがないのだ。


「きっとね、完全に信用するのも決断するのも、まあすぐにはできないと思うんだよね。

 だからこれを渡しておくから持って帰って」


 そう言って女神は古ぼけた短剣を差し出した。向けられた柄を持って受け取ってみると、見た目よりも相当軽くておもちゃみたいだ。刃から手を離した女神が口を開く。


「これは転生に使う儀式の短剣って言うの。

 今の生活をすべてを棄てて新しい世界へ旅立つ決心がついたら、その刃を自分の胸へ刺すのよ。

 そうすればあなたは今の自分から別の自分へ生まれ変わることができる。

 もちろん生まれ変わる先は異世界だから、今までとは大分異なる生活が待ってる。

 さっきも言ったけど、なんでも思い通りになるわけじゃないし、大変なこともあるはず。

 それでも今いるこの世界、この社会よりはよほど素晴らしいところなんだから」


 七海がわかったと頷くと女神は言葉を続けた。


「もしも転生なんてしたくない、今のままがいいと本心で思った場合はね。

 その短剣を握ったままでこんなものはいらない、そのままで生きていくって強く願うの。

 そうすると、短剣も、私と会って話をした記憶も全部消えちゃう。

 もしそうなったら残念だけどきっぱりと諦めるわね」


「これはいつまで持っていればいいんですか?

 使わなかったらずっと残っている物ですか?」


「そうねえ、今まですぐに使わなかった子がいなかったからいつまで残るかはわかんない。

 でも悩んだりしてて、いつ必要になるかわからないうちは消えないはず、多分ね」


「神様でもわからないことがあるんですね。

 ちょっと面白いです」


「そうそう、忘れてるみたいだからもう一度名乗っておくね。

 私は豊穣の女神、私たちの作った異世界で九神って呼ばれてる神々のうちの一人よ。

 『ほうじょう』って言うのは豊作とかって意味ね。

 だからたわわに実ってるでしょ?」


 豊穣の女神はそう言いながら、ご自慢の? 巨大なおっぱいをを揺らして見せた。

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