第6話 シェアハウス

ショッピングを終えて、家に戻ってきた。

が、ジェースもついてきた。


「お前、なんでついてくる!」

「ルーカス、そんなつれないこというなよ」


「まいちゃんもここに住んでるの?」

「はい」

「じゃあ、おれもここに住もうかな?」

「お前は駄目だ!」

「なんでだよ」


ルーカスさんとジェースは性格が真逆といってもいいだろう。

お友達なのだろうか?


「あの?」

「なに? まいちゃん」


「おまえじゃない、帰れ」

「なんで~兄貴~」

「えっ? 兄貴?」

「そうだよ、ルーカスは兄貴」

「そうだったんですか?」


「ああ、残念ながらわたしの弟だ」

「ひどい兄貴、そんな言い方して~」


まじめなルーカスさんにちゃらいジェース。

兄弟とはね。


【妄想中】


♪~わたしは椅子に座っている。

ジェースが座っているわたしの足に抱きついて上目遣いで誘っている。

「まい、ぼくと遊ぼうか……」

ルーカスは、後ろから抱きついてきた。

頬と頬が触れ合っている。

「まいは、渡さないよ」

やめて! 兄弟でわたしを奪いあうなんて……そんな……やめて……♪


「まいちゃん」

「……」

「まいちゃん」


我にかえる。


「あ、ごめんなさい」

「聞いてた?」

「えっ? なんですか?」

「だから、まいちゃんのお部屋ほどこなのかな?って」

「あっ、レオの隣の部屋です」

「あ~あそこね。じゃあちょうどまいちゃんの部屋の隣あいてんじゃん」

「えっ、はい。あいてます」

「じゃあ、あそこぼくの部屋にしようっと」


ええっ?

隣に住むの?

まあイケメンだからいいけど、この家みんなイケメンじゃん。

わたしこんなにイケメンに囲まれて大丈夫なの?


「ジェース、かってに決めるな!」

「ルーカス、ここはおれの家でもあるんだぜ」

「まあ、そうだけど……」

「今日からここに住むからよろしくね」


ジェースはそういうと自分の部屋にいってしまった。


「あいつは、いつも勝手ばかりいって」

「いままではどこに住んでいたんですか?」

「隣街にも家があるんだ。あいつはそこに住んでいた」

「そうなんですね」


あちこちに家をもってるって、お金持ちなの?


「まい、服をつくるのに寸法をはかりたいからそのままわたしの部屋にきてくれるかな?」

「はい」


わたしはそのままルーカスさんの部屋にいった。

いや、寸法ってはだかになるの?

はだかはないか。

下着?


【妄想中】


♪~「まい、こっちにおいで」

「はい」

「恥ずかしがらずに服を脱いで!」

「え、でも恥ずかしい」

「じゃあ、わたしが脱がしてあげよう」

「いや、でも……あっ……いや」……♪


「まい」

「……」

「まい」


我にかえる。


「はい」

「こっちにきて」


え~やっぱり~

下着確認してないけど大丈夫か?


「じゃあ、まい寸法はからせてもらうね」

「え~い! もうどうにでもなれ! ルーカスにまかせる」


わたしは目を閉じた。


ルーカスさんはメジャーで肩幅をはかりだした。

背丈、腰丈をはかり、袖丈、股上、股下をはかった。

あとはバスト、ウエスト、ヒップだろう。

さあ、ルーカスさんどうしますか?


「まい」

「はい」

「昨日、まいはわたしにスキルをあたえたのか?」

「えっ? なんでですか?」

「寸法がはからなくてもわかるんだ」

「あ~はい、スキルが追加されたと思います」

「まいにはそんな能力があるんだな」

「はい」

「ルーカスさんには、衣装クラフトスキルが追加されました」

「これはすごいスキルだ。ありがとう」

「いえ、いえ」


え~じゃあ、バストもヒップもウエストも触ってもらえないのね~残念……なんてね。

けっこう、覚悟してたんだけどね……。


「まい、かわいい服を作るから楽しみにまっていてくれ」

「はい、楽しみにしています」


わたしはルーカスさんの部屋をでた。


「まい、またルーカスさんの部屋にいたのか?」

「レオ!」

「うん、服を作ってもらうから寸法をはかってたんだよ」

「す、寸法!!」


しまった!


「まい! ルーカスさんの前ではだかになったのか?」

「な、な、なるわけないでしょ!」

「まい! 顔がまっかだぞ」

「そんなことないよー」


わたしは家中歩き回った。

レオはずっとついてきた。


「なにを遊んでいるんだ」


ディアムが帰ってきた。


「おかえりなさい、ディアムさん」

「ああ」

「ねえ、ディアムきいてよー」

「なんだよ」

「まいがルーカスさんに服を作ってもらうんだって」

「それはよかったじゃないか」

「からだの寸法をはかったんだよー」

「からだの寸法? ううっ! からだ! はだか!」

「ちがう! はだかではありません」


ディアムは顔がまっかだった。

意外と可愛いところがあるんだな~


「なに? ルーカスがまいのはだかをみたのか?」


お~い! ジェース! 余計なことを言うな! ややこしくなる!


「あ~ジェースさん!」

「ん~ん、レオちゃん! 久しぶり」

「ジェース、きてたのか」

「うん、今日からここに住むんだよ」

「そうなのか」

「うん、だってまいちゃんと一緒に眠りたいからね」


ええっ~


【妄想中】


♪~わたしが部屋で寝ているとジェースがはいってくる。

「まい、一緒に寝ようか」

わたしのベッドに入ってくる。

ジェースはやさしくわたしを包み込む。

まずは、おでこにキス。

そして目にキス。

鼻にもキス。

最後は口びるに……キス……♪


キャー

どきどきして寝れないかも。


「なに言ってるんですか、ジェースさん」

「レオ、お前はかわいいな」


ジェースさんはレオとじゃれあっている。

レオはジェースさんになついているようだ。


でも、これで全部の部屋がうまった。

今日から、6人の生活が始まる。

シェアハウスか?

同棲か?

どちらにせよ、わたしにはこんないい環境はない。

イケメンに囲まれて幸せだー

と叫びたいくらいだ。

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