閑話休題 その2

コールはなにげに鍛えてる

 本日は買取ボムの店休日。


 セラは洗濯を終えて三階の屋上に洗濯物を干しに階段を上がっていた。


「やっぱり四人ともなると結構な量ね」


 ライリスは人生で一度も洗濯をしたことがないので手伝ってもらえないし、いつの間にか住み着いているミールは期待はできない。


「ほっ! やっ! はっ!」


「あら、コール朝から一人で稽古?」


 屋上ではコールが上半身裸で木刀を振るっていた。


「セラか洗濯いつもありがとうな」


「どういたしまして」


 コールはこう見えても意外と良い身体をしている。


 細身ではあるが腹筋は割れており二の腕にも筋肉が薄っすらとついているのがわかる。


「昔から本当によく飽きないわね」


「定期的にやらないと落ち着かなくてさ習慣? になってるんだろうな。ほっ! と」


「昔よりはよく振れてるんじゃない?」


「そうか? まぁ、実践では使えないだろうけどな」


「ずっとライリルと最下位争いしてたものね」


「悲しい過去を言うなよ……」


「ちょっと貸してよ」


「ん? はいよ」


 コールから木刀を貰うとセラは独特の構えに入る。

 腰をできる限り下ろし木刀を下に向けている。


「せっ!」


 声を発すると同時に切り上げそのまま袈裟で切り下げる。


「やっぱカッコいいよなそれ。マネはできねぇけど」


「久しぶりにやったから腰が痛いわ」


「セラは絶対冒険者になれたよな」


「興味ないわね」


 コールに木刀を返すとセラは洗濯物を干し始める。


「よっ! とっ! やっ!」


「そんなことよりコール上の服来なさいよ! 目のやり場に困るわ!」


「別にいいだろ男なんだし、お前だって昔から見慣れてるだろ?」


「それは子供の時の話でしょ! うわっ! なにこれ! 洗濯物の中にグチャグチャ

になった紙が沢山入ってるじゃない! ライリルね全く!」


「変わらねぇなあいつもよっ、と! さて朝飯作るかぁ先にした降りるわ」


 コールは木刀を置き下に降りていった。


「はぁ、もう……少しは気を使いなさいよドキドキしちゃったじゃない……意外と良い身体してるのね。あいつ……」


 セラは定期的に屋上に来ることを心に決めたのだった。

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