近未来日本を舞台とした、警察小説。
ソレはあまりにも、目を奪うほど格好良くて、惹き込まれていて──
あなたは、はた、と気づく、全ての登場人物に、すらすらと入ってくる設定に呑み込まれて、更新分まで読み終わっている、と。
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筆者は最初、この手の小説を読むのを躊躇した。
なにせ純文学を愛する身であるからして、小難しい設定や無数の無個性なキャラクターが押し寄せてきては読む気も削がれるというものだ。
しかしどうだ、この物語はその全てを裏切った!
一章を読みきる頃には、だいたいこの物語のバックボーンが分かることだろう。もちろん、「だいたい」で良い。全てを完璧に理解しないと進めないような不親切な設計はしていないからである。
そして何より、登場人物は皆、魅力的である。
過度に持ち上げられるのではなく、どこか欠けている、それでも等身大で善良な四人のメインキャラクター。読者にとって違和感の無い心の機微、不快感の無い爽やかな善良さ。
もしあなたが、警察小説というものに「リアリティ」より「夢」「フィクション」を見られる慧眼な読者ならば。
きっとこの、サイダーのような爽やかで、かつ入り組んだ味のする、「格好良い」物語があなたを惹き込むことだろう。
きっと損はさせない。まずはその手で第一章のページを開いてみよう!