あとがきなど

あとがき

 こんにちは、白木犀はくもくせいです。


 ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます……!! 40,000字超えというそこそこ長めの物語でしたが、いかがだったでしょうか。あ、もしも「あとがきから最初に読む派」の方がいらっしゃったら、この挨拶が通用しませんね。よかったらぜひ、本編をどうぞ!


 以下、作品語りフェーズに入ります。ネタバレをかなり含みますので、本編未読の方はブラウザバックがおすすめです。それではいきましょう。



 *・*・



「『楽しくお仕事 in 異世界』中編コンテスト」が開催されると知ったとき、初めに思い付いた構想は「人が死んだあと、花が一輪残る世界。その花を集め、売っている人たちのお話」というものでした。


 そこから紆余曲折あって、花屋ではなく雑貨店になり、死が花になるのではなく感情が物になり――という感じで物語が移ろい、できた作品がこちらの『感情雑貨店グレーテア』です。


 花の面影は、キャラクターの名前に反映されていたりします。シフィアは胡蝶蘭(花言葉:幸福が飛んでくる)の英名、ヨカはカーネーション(花言葉:無垢で深い愛)、ラビトはガーベラ(花言葉:希望、前進)、という感じの由来です。


 この物語の主人公は章ごとに異なりますが、全体を通して最も描きたかった人物は、シフィア=ゼレフィールという少女だと思います。


 幼い頃から身寄りがなく、戦うことだけを生きる理由にしてきた彼女。人生の楽しさも、おしゃれな洋服も、愛情も、何も知ることなく過ごしてきました。


 そんな彼女は、グレーテアという少年との出会い、そして彼の死によって、生き方を百八十度変えることになります。軍人であることをやめ旅に出て、ヨカやラビトといった人々と出会い、そうしてアネモネ・ストリートに『感情雑貨店グレーテア』を開くことになります。


 このお話で最も書きたかったのは、「苦しいことばかりだった少女が、人生を重ねていき、やがて幸せになるまでの軌跡」です。


 シフィアは死に瀕したグレーテアと、『心の底から笑ってみせる』という約束を交わします。そんな彼女は数年後、笑顔いっぱいで雑貨店で働いています。彼との約束を果たせたことは、彼女にとって間違いなく幸福でしょう。


 これからもシフィア、そしてヨカとラビトは、あの雑貨店で「楽しくお仕事」をしているのだと思います。私たちの住む世界とは遠く離れた、どこかに存在する異世界で。



 *・*・



 色々書きました……! カクヨムで作品にあとがきを付けたことがなかったので、新鮮で楽しかったです。


 改めて、本編及びこのあとがきまで読んでくださり、本当にありがとうございます。このお話が、皆さんの中に少しでも何かを残せていたら、作者としては嬉しい限りです。


 それでは! またどこかで、お会いできることを祈りつつ。

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