40.感動の再会!?
「少しぶりだね〜! 3人とも!」
「……感動の再会?」
「久しぶり……か? 優太君、凛津、有里香……それから奥のもう1人は?」
「もっ、もしかして……その男の子もハーレ……」
「な訳ないだろ!」
俺はそう言った女の頭を容赦なく引っ叩く。
「いたたたっ! なーにすんのさ!」
「あー。すいません、少し強く叩きすぎました。最近少しストレスが溜まってまして……」
「私をストレスのはけ口にするな〜! てか優太君、目据わってない!? 怖いよ!」
ワーワー言いながら、頭をさすっているのは田﨑さん。
「はははっ! 陽香と優太は結構良いコンビだな!」
なんて言いながら、豪快に笑っているのは藤崎さん。
「……羨ましい」
いつものように無感情な声で喋っているのは山下さんで
「今日も陽香は元気だよね〜!」
そう言いながらにこにこ笑っているのが葉山さんだ。
この4人はみんな有里ねぇの同級生で友達、凛津とも仲がいいらしい。
「もしかして学校に来たのはこの4人に会う為か?」
俺は隣にいた凛津に耳打ちした。
すると、
「……それもある」
凛津はこくんと頷いてそう言った。
それも、って事は別にも理由があるってことか……。
そんな事を考えていると
「それよりさ〜! この前の花火大会の時、優太君、突然どこかに行っちゃったから私達探したんだよ〜!」
葉山さんがそう声を上げた。
「え、あ……忘れてた」
俺は、ほぼ無意識にボソッと言葉を零した。
すると、さっきまでニコニコしていた藤崎さんは、突然こちらを見て
「優太君、いや優太って呼んだ方がいいかな? 今、聞き捨てならない事が聞こえたような気がしたんだけど……」
そう言った。
いつも穏やかな顔をして、お姉さん役を務めている藤崎さんの顔が今日は……とても怖い。
「すっ、すいません! あの時、色々あって……」
実はあの時、有里ねぇとキスをしていて、それを見られた事で凛津と喧嘩していたなんて口が裂けても言えないので
「本当にごめんなさい!」
俺は反省の意を示すためにも、床に頭をつけて謝った。
「優太! もっとそうやって私達にも謝るべきよ!」
「……」
頭を下げている俺に向かって、凛津までもがそんな事を言い始めた。
確かに……藤崎さん達には悪い事をした。
何も言わずに花火大会を勝手に抜け出して……ってあれ?
「あのさ、凛津と有里ねぇも抜け出してた……よね?」
俺は頭を上げて、2人の顔を見る。
すると……
2人ともプイッと顔を俺から背けて
「わっ、私は! 途中で抜けるね〜って言ったし!」
「私も……言った……わよ!」
「え……」
「こらっ! 優太! 頭を下げろ! 反省してるのか!」
「……すいません」
俺はこうして2人から見放され、あの日途中で抜け出した責任を全て背負わされることになった。
結局、俺は4人が許してくれるまで、正座をし続けていたので再び立ち上がる頃には足が痺れて仕方なかった。
ちなみに、俺が正座させられている間
「へーっ、照くんか〜! カッコいいね〜!」
「はははっ……ありがとうございます」
「優太君とはやっぱり……そういう関係なんだよね!?」
「えっ? そういう関係って?」
「そっ、そりゃ一緒にお風呂に入ったりして……」
「あー! 入ってましたよ!」
「えぇーっ!! やっぱり……そういう」
「おい! テル何変なこと言ってんだよ!」
「優太! 静かに正座しろ!」
「……はい」
テルと田﨑さんのカオスな会話が繰り広げられていたのであった。
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