第40話

「あ、いたいた。」



ツインズにコションってどこにいるの?とメッセージを送ったら、案内するよ、と返事が来たので待ち合わせ。

先にギルドでお金預けてきたよ!

とっても簡単だったので気兼ねなく預けられそう。

初回は窓口で、次からATMみたいな機械にどうぞ〜だった。便利だね。


そして、改めてみると、ツインズも目立つなぁ……。

待ち合わせ場所の噴水の水しぶきといい、ブロマイド的なね。

ブロマイドって今も言うのかな。



『お、行こうか』



本人たちは注目されてることなんてなんのその。

慣れもするよね、そりゃあね。

姉として見てたけど、学生時代凄かったもんね。

色んな意味でね。ええもう本当に…。


いまもお店の取材とかあるらしいからなぁ。

といっても、いまや取材なくてもSNSであっという間に人気になることもあるんだからすごいよね。

下手な広告より広まる気がする。

もちろん1番はなんだかんだテレビなのかもしれないけど……テレビ見ないんだよね…。

お店のお菓子でなく、顔で人気になることに対してとっても不満とは言ってるけどね。



「コションって、普通にぶた?あ、角生えてるんだっけ?」


「そう、1本が普通。2本が亜種でちょい強い。」


「ドロップは豚肉。あの串焼きの肉ね。」



豚か〜。……豚って結構大きいよね。

確か一角獣みたいなーって聞いた気がするから、2本の角だとどう生えるんだろう?

牛っぽい感じ?

突進されたら痛そうだからその前に倒しておきたい。

どう倒すのが1番いいかなぁ。



「いたぞ」


「え?ほんとに豚にツノ生えてる」



指さされた先には何かをくんくんと嗅ぎ回っている豚。あ、コション。

ツノは眉間から1本。

うーん、2本見つけてみたいな。

鼻が良さそうだよねぇっていうことはだ。

結構離れてる……うーん、100メートルは離れてるかなぁ。



「あ、気づいた。」



風向きが僅かにズレただけでこれか!

見つめあってるけどこれは……怖いから、土魔法でぬかるみ作っておこう。うん。



「ほいっ!」


「詠唱は?」


「なんかあの本に書いてたけど、分かりやすくするだけだから絶対ではないんだって。だから無詠唱を練習するつもり。あ、味方?にかけるときの回復魔法とかは何するか分かってもらうために言うし、共闘する時も何するかわかってもらうために説明はするつもりだけどね。」



今日はツインズだし、とりあえず詠唱と無詠唱混ぜて実験。

あとは複数展開できるのか!とかね。

あ!走ってきた!



「はい!氷なげまーす!!」



宣言して氷が飛んでくのを確認。

ありゃ、想像より氷が小さいな。

痛そうに一瞬止まったけど、倒れない。

数を投げる!ついでに氷の塊より鋭さを意識してみたら?



「5つ!なげまーす!」



あ、当たった。2つ?当たったように見えたなぁ。

……倒れた!コション初討伐!!

ぬかるみ来るまでに倒れてよかった。

近寄ると豚のブロック肉が落ちてる。なんかとてもシュール。



「2回目って氷鋭そうだった?」


「ゴツゴツ感はあったな」


「いっそ投げるサイズでかくした方がいいんじゃない?」



うーん、課題。

次は火で攻撃してみよう。

氷だけだと同時に5つできたけど、火はどうだろう。

とりあえず火の後に風で火力上げるとかできるかなぁ。

某ロボット?アニメの歌詞のようにファイヤー!とかなるとなぁ…火事になるのは困るんだよなぁ……。

とりあえず火にしよう。

風はやめといて、火だけで何回攻撃しなきゃいけないかってのを知りたいし。



「いたぞ」


「次、火の玉なげまーす」


『……土管からでてくるやつ』


「じゃあどっかでフラワーとらなきゃ」



てい!と髭の人をイメージして拳をつきだす。ただし杖を持って。

この杖結構なサイズだけどなんか軽いんだよね。負担無し。扱いやすい感じになってんのかなぁ。

お、当たった!燃えた!……1発じゃ無理かーそんな気はしてた。



「無敵モードじゃなきゃ1発KO無理だわー、2発目いきまーす」


「スターないんだわ」


「どんまい」



さっきより強めの火力とか出来るのかなー。

とりあえず2発目当たったら倒れた。

生き物だから火に弱いかな?


さっきも赤色だったけど、青は無理としても黄色とか白とかになれば温度高いはずなんだよね……授業での記憶だと。

そもそも火じゃなくて炎にすればいいのかな…。

気体を燃やす、酸素と…ガス?ガスねぇ……。

うーん……高温の炎!ってイメージしたらどうなるんだろう。



「次のやつも火で挑戦しまーす!ドロップは……よかった、普通にお肉のままだねー。こんがりしてたら焼豚にでも仕上げなきゃって思っちゃった。」


『うまそう』



確かに。

生産部屋でこんがり焼豚ぐらいなら出来るかなぁ。

調味料……は、いろいろ聞いてみよう。

さて、3匹目!



「高温火力でいってらっしゃい!!」



ゴォッと音がして思ったより大きな炎がコションを丸呑み。

すごー……と思ったら、こんがりしたいい匂いが……



『焼豚完成』


「あははははは!」



ということは、素材として買取してもらうなら高火力はダメですね。はい。

いやいっそ焼豚ですってしたら売れるかな?

これ中まで火は通ってるかな。



「焼き加減どんな感じかな」


『切るか』



ツインズが短剣でサクッと。

あらいい感じに焼けてるわ、ちょっと味見。



「普通に美味しい」


『塩コショウほしい』


「それはわかる」



やっぱり高火力はやめておこうかな。

てことは、普通の火力か氷か。

風って竜巻起こしても攻撃には難しい気がしてるんだよね。進路阻害とか攻撃を一時的に止める効果はありそうだけど……風でどうやって戦うのか見本が欲しい。

エヌさんに聞いてみよ、今度。


うーん、とりあえず氷を強化したい。

思いつく氷攻撃…あ!それこそ土管の人も氷投げてたけど、あれは当たった対象が凍ってたような?

……どうすればいいのか。

難しいなぁ。



「なぁいろは、氷をさぁ矢みたいにイメージして飛ばせないの?」


「うーん、やってみよう!」



矢!

これは弓矢を少しやったからイメージしやすいかも。



「……こんな?」


『まぁまぁ』



むっずかしすぎない!?

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