私が眼鏡をかけない理由。
梓すみれ
第1話
私が眼鏡をかけない理由
自分が眼鏡をかけてる顔が嫌いだ。
不細工で、弱くて、惨めに見えるから。
私がそういうと、決まって付き合ってる男性なんかは、見たいっていう。そう言ってくる男も嫌いだ。
その顔も好きとか愛せるとかそういう問題じゃない、私自身が鏡を見たくないほど嫌いな顔を好きな人の正面に置いて正気でいられるはずがない。だからいつもその言葉は私を苦しめた。
お泊まりに行く時だって、眼鏡は持って行かない、寝る寸前までコンタクトを取らず、枕元でことを済ませる。私はすごく目が悪い、0.1もない自分の世界で、コンタクトがなかったらもう何もできないだろう。
今日も朝起きて、目を瞑って立って歩ける洗面台までの道を進む。顔を洗ったら、次に見える世界の自分の顔は、そんなに嫌いじゃない自分だ。
保湿をして、化粧をする。今日はちょっと薄いかななんて考えながら、顔に色を乗せる。自然と笑顔になる。これで、みんなが好きな私の完成だ。
私が眼鏡をかけない理由。 梓すみれ @azusa-sumire
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。私が眼鏡をかけない理由。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
春/梓すみれ
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
ネタの様な本当の話最新/狸穴亭銀六
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 3話
春はあけぼの、夏は夜最新/mamalica
★112 エッセイ・ノンフィクション 連載中 304話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます