ランダマー勇者

影神

馬鹿兄貴



弟はゲーマーだった。


動画配信サイトで、動画投稿をしていた。



正直。そんな弟を羨ましくも思っていた。


そんな、ある日。



弟は死んだ。



死因はゲームのデバイスによる。


脳に直接与えられた電波が良く無かったみたいだった。



生産中止のそのプレ値の付いたデバイスを。


弟は何処からか買い取ってやっていたらしい。



事故の事例も出ていた為。


保証なんてのはされなかった。



、、弟らしいと言えば弟らしいのかもしれない。



好きな事をやりながら。


そのまま死んで行ったのだから、、



なんて。


俺はそんなふうに考えていたんだ。



長男なんだから、、


後取りなんだから、、



親から当たり前の様に押し付けられてきた俺にとっては。


弟と言う立場も。


いや、彼の人生すらもが。



羨ましかったんだ。



身寄りが死んだから休暇を貰った。


誰かが死ななければ会社を休めず。


死ぬまで働き続ける人生に。



一体。何の意味があるのだろう、、



悲しい。


とか。


そうゆうのも分からなかった。



大人なればなる程。


俺は弟と話す時間は減って行った。



ピッ、、



起動される機械音。


ゲームなんて、いつぶりだろうか、、



親に隠れて。


夜中に弟とこっそりゲームをしていたのをふと思い出した。



【既にセーブデータがあります。


続きから始めますか??】



弟のやっていたセーブデータが残っていた。


内容も。やり方も全然分からなかったが。


はじめからやってしまうと、書き換えられてしまう様で、、



それは、まるで。弟の存在を消す様な気がしたから。


続きから始める事にした。



【お帰りなさいませ。】


レベルは342levelだった。



それが強いのか弱いのか分からなかったが。


クリア済のステージを1から俺は始めた。



それなりの装備に。


それなりのlevel。


ステージはサクサクと進んで行った。



職業のポイントが余っていたから。


俺は、新しい職業で始める事にした。



「何にしようかなぁ、、」



様々な職業や。その職業だけのスキル。


その中でひとつ目を引いたモノ。



【モンスター使い。】



「モンスター使い、、か。」


それは、モンスターを強くして。


モンスターに戦って貰うやつだった。



モンスター技の、ポイントも自動で回復するし。


モンスターの覚える技によっては、


使い主の回復も出来ると言う、優れ者だった。



弟の職業は、安定の剣士。


王道の王道。



だが。


アイツらしいと言えばアイツらしい。



【モンスターに名前を付けますか?】


「名前、、か。。」



いろいろと迷いはしたが。


ゲームの中くらい。


一緒に居てやりたかった。



主人公の名前は弟の名前だったし。


「、、よしっ。」



、、何を今更。


と。自分でも思った。


「今更。


兄貴ぶるなよ、な?」



俺と同じ名前で。弱い、モンスター。


だが、ステージを進めると、levelはあがった。



「、、そろそろ。



何か。食べるか、、」



ゲームで気が紛れたのか。


気付けば外も中も暗くなり。


腹が減ってきた。



運転する気にもなれなくて。


久しぶりに歩く事にした。



「、、雨か。。」


台風が来てるとかで、それなりに降っていた。



濡れるのも、悪くはない。。


適当に置いてあった傘を取る。



ザァァアアアアア、、



雨の中を歩いたのも久しぶりだろうか、、



風で揺られて、雨が当たる。



弟「あはははは。」


「やったなぁあ??」



今まで思い出した事の無い記憶が、、


どうしてだか急に。



頭の中を駆け巡った。



ザァァアアアアア、、



「ぁあ、、


ようやく身体が追い付いて来たんだな、、」



大事なモノは。


喪ってからじゃなければ。



気付けない事も。


ある、、



「ごめんな、、


冷たく当たる事しか出来なくて、、」

















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ランダマー勇者 影神 @kagegami

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