悠久の絡繰り御伽噺。

東 瑚斗寧

ープロローグー

何時までも時を刻み続ける時計塔。鉄の蓋に覆われた世界はいつものように煙に包まれていた。


辺り一面ガラクタが転がっている何も無い荒野。そこに世界を知らない1人の少女が休む間もなく働いていた。


どこからともなく増え続けていくガラクタを分けては積み上げ、分けては積み上げをただただ繰り返していく。少女はただの人間では無い、絡繰り人形である。


そんな絡繰り少女とガラクタの元に、1人の男が尋ねてきた。


「よぉ、そこのお嬢ちゃん。」


これはとある人間の男と、絡繰り少女の果てしなく長い、悠久の御伽噺である。

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