猫のお考え

バブみ道日丿宮組

お題:猫の感覚 制限時間:15分

 子供の頃から猫というのは日常だった。

 実家に帰れば、10匹の猫の家族がいる。部屋にも3匹買ってる。

 実家では一室が猫の部屋として存在してる。

 その部屋で遊ぶのが子どもの頃の思い出。あのときはまだ3匹だった。ちょうど生まれた赤ちゃん猫をよく撫でたものだ。

 そんな猫であるが、

「にゃんと」

 自分がおなじになるとは思いもしなかった。

「使い魔になったんだから、当たり前でしょ」

 そうした犯人である少女は、僕の身体を持ち上げるとそういった。

「まだなるっていってないじゃないか。それにどうして猫」

「大きいと襲われそうで怖いじゃない」

「使い魔なんだから、できないようにすればいいじゃないか」

 それを含めて使い魔と言うんじゃないだろうか。

「感情を殺すのは面白くないわ。お父様みたいになりたくないもの」 

 少女の父親は使い魔の一人。でも、イエスしか言わない人形な存在。それと同じになりたいのかといえば、なりたくはないが人間を捨てることはしたくはない。

 僕は僕のままでいたかった。

「ちゃんと利点もあるんだから」

 抱きかかえられたまま、部屋に戻ると降ろされた。

 部屋にいた3匹の猫たちが近づいてくる。

「おかえりなさい」

「あれ、新しいこ?」

「こんにちわ」

 なんと猫の言葉がわかった。

「この匂い……ご主人さま?」

「パパなの?」

 近寄って、くんくんぺろぺろ。

 妙にくすぐたかった。

「いいでしょ?」

「いいのかこれ?」

 猫と会話できるようになったとして、はたして意味があるのか。

「大丈夫。元に戻れるから」

 彼女は僕の肉球を何回か触った。

 すると身体が熱くなり、それがおさまりはじめると手には見慣れた人間の肌。そしてもちろん身長も彼女より大きくなってた。

「ご主人さまだ!」

 でも、猫の声は変わらず聞こえる。

「使い魔は動物の言葉がわかるのよ」

「じゃぁ猫じゃなくてもやっぱよかったじゃないか」

「ずっと猫と一緒にいるんだから、猫が好きなんじゃないかって思ったのよ」

「そりゃぁ……きらいじゃないけど」

「猫にするのはめったにないわ。ほとんど人間態でいると思ってくれていいの」

 それならいいかな?

「ご主人さま、お腹すいた!」

 とりあえずご飯にしようか。

 猫たちは猫パンチをしながら、お腹すいたと叫んでる。

 僕たちもホテル帰りだから、空腹感があった。

 運動後には栄養はとったほうがいい。

「じゃぁ、朝ごはんお願いね」

 彼女はリビングへ向かってった。猫たちはそれに続く。

 朝食を作るのは僕の役目だった。夜は彼女。

 簡単なものと、凝ったもの。

 当番制は崩れない。

 猫のご飯と僕たちのご飯をリビングを数回往復して置いてく。

 頂きますと、皆で朝ごはんをはじめた。

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猫のお考え バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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