貿易ゲーム

壊の公式

試験1日目 始まり

 国立才峰高等学校。それは国内でもトップクラスに入学難度が高い学校だ。毎年何千、何万人という人が受験し、倍率は三桁。そんな名門中の名門の高校の試験会場に僕は今訪れていた。そう、僕が今年受験するからだ。


 国立才峰高等学校の試験会場は全国各地に存在している。ここはそのうちの一つに過ぎない。僕は地方に住んでいるため、正直これはありがたい。一か所に集まって試験となると移動が大変だっただろう。


 時計を見る。現在7時45分。試験日程では8時から試験説明、13時から試験開始と書いてあるので15分後から試験説明だ。僕は少し早足になりながら受付に向かった。



 受付では僕の前に7人の受験者が並んでいた。そこで受験者はそれぞれが向かう教室を伝えられていた。その7人の教室はAからEまで存在したが、F以降は存在しなかった。まだ確定とは言えないが、説明はAからEの5つの教室で行うことになるのだろうか。僕の教室はどこだろうかと浮ついた気持ちで待っていると受付に呼ばれる。


 「試験説明はCの教室になります。」


 Cの教室か。僕の前の人もCだったので、その人についていけばいい。僕は同じCの教室の人について行きながら考える。


 何故わざわざ教室を分けるのか。手間を考えれば1つの教室で全員を集めて説明をした方が理にかなっている。しかしそれをしないのは分ける必要があるからだろう。それぞれの教室で違う説明を行うのだろうか?。少なくとも現時点では分からない.....。


 そうこう考えているうちに教室へ着いた。


 意を決して教室へ足を踏み入れる。踏み入れた先で僕の目に映ったものは向かい合わせになるように並べられた6つの机だ。その机の6つの中5つにはすでに所有者が到着していた。つまり、この教室の最後の人間は僕だったということだ。僕は足早に1つだけ存在する空席に腰を掛けた。


 少し落ち着いたところで周りを確認してみる。すると受験者6人の中、男子が僕含めて3人で女子が3人だった。男女比が関係するような試験なのだろうか?.....答えは分からないがひとまずは大人しく試験説明の開始を待つことにする。僕の考えていることの答えはもうすぐ分かるだろうから。



 .....。


 ..........。


...............。


 ....................。


 .........................ガチャ。



 そしてついにそのときがやってきた。


 ドアを開けて試験官が入ってくる。


「では今から試験説明を開始する。」


 こうして、8時となり試験説明が幕を開けた。

 


  


 




 




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