第43話 生徒会室にて②
「………にじゅうさんい?」
掲示板の前で、固まる私。
ナンノマチガイダロウカ?
いや、手応えは有ったけど………
4月末の学年テスト。
進学校らしく、参加は任意なれど月末最終土曜日に学力テストがあり、週明けの放課後に順位が発表される。
その発表で、私の順位は………
23位!
呆然と見上げる。
一学年約200人。
その中での順位。
入試最下位合格の私が?
授業について行けず、落ちこぼれ寸前だった私。
信じらんない!
感激に、震えが止まらないんだけど?
どうしよう?
この感動を、誰かと分かち合いたい!
「よっ、どうだった?」
肩を叩かれ、振り返ると香坂。
いた!
分かち合える相手が!
思わず香坂友樹の手を取り両手で握りしめ、
「あの、ニジュウサンイ?」
「僕が放課後付きっきりで指導してるんだから当然だろ?でも、よく頑張ったな。」
握った手を、両手で握り返してくれる香坂。
今日も、笑顔が眩しい。
だから、勘違いするんだよね?
「じゃ、後で生徒会室でな?待ってるよ。」
香坂の名前を掲示板に探す。
当然のように、1位!
ちなみに、会長も1位。
会長は、夏休み前の生徒会選挙後に引き継ぎして引退なんだけど、進学しないという噂がある。
勿論、噂の真偽は怖くて本人には聞けないけど、香坂友樹になら聞けるかな?
家族のプライベートな話しだから聞きづらいな。
香坂とは、まだそんなに親しくなってないし?
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