第17話 姉と、弟と、 その6
「それで、君の最初の質問の答えだけど、」
彼は姿勢を正して、改めて私と向き合った。
「お姉さんが、僕に好意を持っている事は解っていたよ。
時期を見て、お姉さんと僕と二人で話をしてみるね。それで、良いかな?」
「…………半分しか、お答えいただいていませんが?」
曖昧にしようと思っても、逃してくれないようだ。
この子も、姉と同じく優秀だね。
「好ましく思っているよ。お姉さんと話をしたら、君にも報告しよう。今は、これで良いかな?」
「それだけお答えいただければ、僕としては十分です。ありがとうございます。」
ホッとしたような感じで、すこし笑顔になった彼。
連絡先を交換して、彼が帰ったあとの店内で思わず溜息が出る。
『良い人』か………
久々に、言われたな。
まあ、彼は悪い意味で言ったわけでは無いのは解っていても、ダメージ大きかったな。
付き合った歴代彼女から振られる時に、例外なく言われた言葉だ。
みんな僕なんかより、暴力的だったり、サイマーだったり、詐欺師紛いの男の方が良いと言って去っていったからな〜
何故だろう?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます