第7話 ニマニマが止まらない

教室に入る前から、すれ違うみんなの視線が私に集中する。


「あれ?」

「本当に生徒会長?」

「別人?」


授業中も、何故か講師がチラチラと私の方を伺う。


自分では意識していなかったが、放課後、生徒会室で皆から、

『一日中ニマニマしてて、いつものクールな会長より評判良かったよ!』

と言われるまで全く気が付かなかった。


もしかして、やらかしてしまったかも。

もう、イメージが……。


諦めて、次期役員選挙の打ち合わせの後、思い切って皆を誘う。


「明日の朝、喫茶店でモーニングしながら朝活打ち合わせしない?奢るからさ!」


役員一同、驚愕の表情。

「明日は大地震か?」

「台風か?」

「天変地異か?」

失礼な!

「熱でもあるの?」

あ、チョビットあるかも。


そして、翌朝。

皆を連れて、あのカフェへ。


「マスター、おはよ〜!友達連れて来たよ!」


役員一同、『驚愕の表情』から『納得の表情』へ。

ある意味、一番わかり易い事情が有って、彼女が変わったんだな〜と皆で思った朝でした。



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