第5話 自習室の始まり その3

連休明けの月曜日、リニューアルオープンから早くも三ヶ月、新規のお客様も少しずつ 少しずつ増えてきた今日このごろ。


今日は、早朝から大雨。

徒歩で仕入れに回り、いつもより早めの開店準備。


ふと、表を見ると、店先に人影。

最近、常連様になりつつある黒髪JK。


ドアを開け、

「どうぞ〜、オーダーは7時からですけど〜。」

恐縮する感じの彼女を招き入れる。

席に着いた彼女を横目に、あらぬ誤解を招かぬように、入口ドアを開け放ち、カーテンも開ける。

お冷を出しながら、

「いつも、ご利用ありがとうございます。朝御飯は、いつも何処かのカフェですか?」


「はい、前は駅前のファーストフード店だったのですが、落ち着かなくて。こちらはゆったりできて学校も近くて贔屓にさせて頂いてます。」


知的な感じの雰囲気と話し方、優秀なんだろうなと思いながら、まだ7時前だがモーニングセットを運ぶ。

挨拶以上の話をするのは初めてだ。


ふと、思いつき、彼女に問いかけた。


「もし、お友達連れて来てくれたら、一人に付き一回だけモーニングセットの無料券渡すよ!」


「ホントですか!」

食いついてきた。意外だった。


少し、引き気味に、

「お試しの新規サービスを色々考えてたんだけど、うちに合いそうな事を、中々思いつかなくて。」


「受けます!ラッキー!明日から早速連れてきます!」


「お試しだから今月いっぱいだからね!あと、お友達は、初回半額にするよ!」





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