第2話
目が覚めたら、真っ白な部屋に居た。
壁も床も継ぎ目のない真っ白で正面には窓とドアがあるだけ。部屋の中央にベッドがあってトイレが右の角にある何も無い部屋に僕は監禁されていた。
ここにくる前、僕は仕事に向かおうと検問を通って、国民証と生体認証でゲートを通ろうとした。
いつもならそれで何事もなく通ることができたはずなのに、今日は止められた。
登録されていた魔力波長?というものと僕の魔力波長が一致しなかったらしい。
僕はなにかの間違いだと言ったが取り合ってすらもらえず、刺されたような痛みを感じながら意識を落とした。
そして今に至る。
魔力波長と合わないといったが心当たりが無いわけでもない。僕は転生したから、それが何か原因かもしれないと思った。転生したと言ってももともとここの世界に居たわけでもなく、地球から来た。何で死んだのかはもう思い出せないけど…
目が覚めたら何も見えなくてうっすら光を感じるだけでパニックになっていたが時間が経つにつれて少しずつ見える様になり、小さくなった赤子の姿の僕に驚きながら転生したんだと確信が得れた。そのまま物品搬入の労働者の両親に育てながら18年が経ち、今日が両親と同じ仕事に初出勤だった。
おそらくとっくに出勤時間がすぎていて、両親に迷惑をかけているのかと思うとこれから起こりうる何かへの恐怖と入り混じって身震いした。
このまま一生監禁されるのか、刑罰を食らうのか、実験動物にされるのか、不安になりながらとりあえず扉を叩いて助けや人を呼ぼうベッドから起き上がり扉に向かおうとしたがどうも力が入りにくく立つことが出来なかった。
ベットの上で体育座りをしながら俯いていると何やら声が聞こえてきた。
「これが例のか、この青年のプロファイルは?いや、この青年が持っていた国民証にある人物のプロファイルのほうだな」
「はい、アル・ニコエ18歳男国民IDは一昨日更新されていますね、新規ID読み上げます
0MAJ-GD0M-H0JM-P0CJ。職種は…」
「クアッドゼロだから地上関連だな、軍人の感じはしないから搬送やメンテナンス関連か、なるほどそれで
「そうです、彼は今日から第3昇降ターミナルで物資輸送を担当している会社で働く予定みたいです。」
「この会話彼にも聞こえているんだよね?」
「はい。」
「丁度いい彼と話そう、彼の声を聞こえるようにして、窓は見える様にしてくれ。」
「わかりました。」
そうした声が聞こえてしばらくしたあと窓から二人の人物が見えた。紺の服を着た人と同い年くらいに見える白の白衣を着た人がいた。
「君の話を聞かせてくれないか?僕は神郡戒戸だ。」
白の服を着た人物は確かに神郡戒戸と言った。
白の服は
上界のシュラハト 夭圭学(ヨウケイマナブ) @Transmit
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