第2話第十三代征夷大将軍義輝ちゃん
「余は第十三代征夷大将軍足利義輝じゃっ!」
白髪巨乳ぼろ着物美女が俺の前で正座で胸を張って自己紹介している。頭には髑髏の簪?見たいなのを差していた。正直似合わない。
バルンと揺れる胸、なんだこいつ襲われたいのか?
「余に拝謁出来た事を光栄に思うがよいぞ」
「いや、へまやってばかりのお馬鹿将軍様に拝謁してもな」
「はぁー!余がへまだとぉう!」
「権力も権威も最低値の足利幕府で周囲を引かっきまわしちゃ京から逃げまくっててなにがへまでないと?」
「違うもーん。余が直々に配下の大名どもを鼓舞しに行っただけだもーん」
「最後は三好に二条御所を攻められてがっつり死亡」
「はぁーっ!?余生きてるぅー!ここで元気に生きてるぅーっ!」
仰向けに倒れてバタバタしだした将軍様(笑)。おしいこっちに足が向いていて倒れていたら・・・。
どうしたもんかな、頭おかしいと思ってたら自分が将軍様(笑)とか言っているよ。でもこいつしか情報源がなさそうなんだよ。
さっき跳躍して襲ってきたから容赦なくカウンターでぶん殴った。美女だけど頬が腫れている。骨ぐらいは折れそうな勢いだったけど腫れるだけですんでいる。
「そういえば余この世界で何回も死んでいるんじゃった。ははは元の世界で三好に殺されたら一回ですんだのかのう。あの頃はよかったのぅ、どこに行っても上手い飯は食えたし着るものもこんなぼろでなくきらびやかなものばかりじゃったし、女子にも困らんかったのに今は余が女子じゃ。はははやはり天が余をお仕置きしとるということかのぅ」
また体育座りで横に倒れたよ。
「おーい落ち込んでないで教えてくれよ」
「ん?どうせこの世界に生まれたら大抵のことは知っておるじゃろうが。余を襲ったら即死ぬぞ。どうせ何回か死ねば人になれるしの」
なぜか投げやり気味の将軍様(笑)。俺に背中を向けて寝っ転がっている。
「あーでもおなごじゃと折れ鍬赤フンが出ないから一番いいのかのぅ。でもヒャッハーの連中には襲われるからどちらがいいのか、おぬしはどちらがいいと思う?」
「いやどちらも知らんし」
なにそれ?折れ鍬赤フン?ヒャッハーの連中?この将軍様(笑)やはり頭が・・・。
「ん?折れ鍬赤フンはまだしもヒャッハーの連中は獣共でも知って・・・まさかっ!」
将軍様(笑)が跳ね起きて再びレスリングスタイルで俺に相対する。しかしその足はぶるぶると震えて生まれたての小鹿のよう。
「お、おぬしっ!あの折れ鍬赤フン達と同じ物の怪か!?やられはせんっ、やられはせんぞっ!もしやるんなら漏らすぞっ、嫌じゃろ相手が漏らすなんてっ」
テンションの上げ下げが凄いなこの将軍様(笑)。
あと漏らすな。俺にそんな趣味はない。
「まて一旦落ち着け。情報が多すぎて何言っているのかわからんし。俺はその折れ鍬赤フン?と一緒の奴じゃない」
「ほ、本当か?嘘じゃったらシャーッじゃぞ」
「女性がシャーッ言うな。少なくともそんな変な奴は知り合いにいない」
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