メイド・インしないホール
バブみ道日丿宮組
お題:大きな洞窟 制限時間:15分
潜りはじめて三時間といったところか。そろそろ疲れが見え始めてる。いかに体育会系とはいえ、知らない場所の探索は疲れがつきやすい。
でもしょうがないじゃないか。
実家の裏庭にある穴が気になったんだもの!
それにしても穴の奥がこんなにも広い洞窟になってるなんて思いもしなかった。
戻ったら倉庫とかで文献を探してみようか?
祖父祖母は穴があるのは知ってるみたいだけど、何があるのかは知らなかった。私なんて中学まで暮らしてたのにその穴に気が付かなかったのに。
裏庭なんかに足を運ばなかったこともあるが、毎度学校から帰ってくるのは夜遅くだし、休日も部活で学校にいた。見る機会なんてなかった。
子どもであれば、探検したりして発見しそうな気もするけれど少なくとも記憶にはない。
「……うん」
続行するかどうするかを検討する。
戻るにも三時間かかることを考えるならば、そろそろ引き返さなきゃ夜には帰れない。
いくら長期休みとはいえ、帰省した娘が帰ってこないのは怪しまれるし、すぐに連絡がくるだろう。そうなれば、後で怒られるのは目に見えるようにわかってる。
それをわかりながらきたのは、自分だ。
スマホを確認する。バッテリー関係は80%、電波も届いてる。地図アプリはどこを指してるのかわからないけれど。
まっすぐの道だ。迷うなんてことは起こらない。
もちろん、この洞窟が生きてるもので時間経過で変わるというのであれば、迷うかもしれない。その可能性は少しある。
洞窟には動物や虫などの有機物の反応が一切ない。苔が生えてたりするのにおかしかった。
一番おかしいのは、探検してやろうかと突入した私かもしれない。
とりあえず休憩しよう。
その辺の岩に腰掛ける。
ごつごつとした感触がおしりにびんびんとくるが構わない。自然というのはこんなものだ。合宿中の休憩なしの練習のが大変だった。
頬を叩くーー気合は残ってる。
水分を取ろう。
そろそろおしっこもしたい。
誰に見られるわけでもないが……そのすきになんとかあるかもしれない。
そう考えると、あまりしたくなかった。
限界はあるけれど……。
洞窟の奥をライトで照らしてみる。歩いてきた道を照らしてみる。
違いがわからなかった。
大した準備もしてなかったし……ここらへんにしておくべきかな。
どこに倒れてるかもわからないし、そうしようかな。
「戻ろっか」
そうして声を聞いた。
メイド・インしないホール バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます