第31話 ~幕間~
卒業式が終わった夜、サーシャはドレスを脱ぎ捨てると早々にベッドに入った。慣れないダンスや挨拶ですっかり疲れ切ってしまったのだ。
それでも心は高揚し、いつにない充足感が
あった。
(アヴリル様、素敵だったな)
卒業生の中でも一際目を引いたユーゴとアヴリルだ。仲睦まじそうな二人の間には確固たる絆があった。
アーサーとソフィーの堂々とした振る舞いと優雅なダンスも目に焼き付いている。ミレーヌとシモン、そしてレイチェルとジョルジュも一緒にダンスを楽しんでいる姿を目にして、ソフィーは心の奥がじわりと温かくなるのを感じたのだ。。
(攻略対象の好感度を上げず、略奪も逆ハーもなしだから友情エンドってやつなのかしら?ということは強制力から解放されたってことよね?)
喜びのあまり自然と笑みが溢れた。サーシャは一人で清々しい開放感に浸り、幸せな気分で眠りに落ちていった。
『駄目だったね』
『難しいねぇ。誰を選んでも幸せになれるルートを用意したのに』
『やっぱりバッドエンドを見せるのは逆効果だったのかな』
『ヒロインだからかも。最近は悪役令嬢のほうが人気なんだって』
『もっと運命的な出会いにしよう』
『ちょうどいい子がいたよ。今度は上手くいくかなぁ?』
『きっと上手くいくよ。だって本当はあの子も望んでいるもの』
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