第12話病気

中年になると人間と同じく病状は出てくるものである。

この頃となると犬でも死と言うのが分かってくる。ソロソロ折り返し点過ぎたかなと。俺、天才犬やからな。



夏場はエヤコン付きの部屋が与えられたのは熱中症になってからや。ここは天国じゃ。



俺も熟年になって体力も低下してきた。夏の暑い日、息が苦しくなってゼイゼイしてたらママさんが気が付いて動物病院に連れて行ってもらった。病院嫌いの俺やけどそんなこと言ってられない。

大人しく診てもらったよ。血液検査の結果が出てΓGTPが高い。これ、殆ど人間と同じやないか。


それ以降、薬漬けの毎日になってもた。パパさん言ってたけど、この薬、人も使ってるでとか。人用に開発された薬が犬にも効くみたいやな。その年以降熱中症にはならんかったしな。



俺、信条としては飼い主さんに迷惑かけたくないから、ピンピンコロリと逝きたいと思ってた。骨折とか癌とか大きな病気になると飼い主さんに心配掛けるからな。せめてもの飼い主孝行や。

他にも犬も高齢になると白内障があるけど、避けられない病気や。その時は美人犬見てもトキメキもないからええか。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る