第8話食いしん坊

タマタマが無くなってから腹が減ってしょうがない。

いつもの餌はだけでは足らん。



玄関が俺の定位置なんやけど、ここから見える廊下の奥、いつも扉は閉まってるんやけど、いい匂いがしてくる。

俺、土足やから家の中には入れてくれない。


しかし、どうしても誘惑には勝てない。


ある日、お姉ちゃんが閉め忘れたんか扉が開いてた。

ここぞとばかり聖域に飛び込んだ。

システムキッチンの上にキャベツがひと玉置いてある。それを咥えて庭に出た。

パパさんが気が付いて追いかけてきたが後の祭。パパさん取り上げることもなく俺は戦利品をガブガブかぶりついた。

旨かった。

問題は次の日。

散歩してたらお腹がゴロゴロし始めた。これはひょっとして下痢や。

しかも大量に。パパさん持ってきたウンチ袋では取りきらん。

パパさん家に帰って自転車にバケツに汲んだ水を載っけて戻っていったよ。

俺、悪いことしたな。



それ以降、何回かキッチンに侵入することは成功したが、キャベツはシステムキッチンの上にはなかった。

ふと、後ろを向くと食パンがあった。こいつは旨い。一斤丸々喰ってやった。

それ以降、食パンは背の届かないところに置かれた。



これが祟ったのか病院に行ったら体重がニキロ増えてた。

勿論、それ以降餌は減らされた。


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