治の「喜び」

治side

拙者が・・・・・・・・・・。仕事のメンバー・・・・・・・・・・。「効率的」。「スムーズ」________。弥生さんのあの発言は多分、本音を言っているようにしか見えなかった。拙者は山で修行をするのが一番だけれども、漱石たちがやっている、その仕事を一緒にやってもいいと、拙者は思った。ずっと、拙者は、山で一人きりで修行していた。でも、少しは何か新しいことに「ちゃれんじ」とやらをしてみてもいいんじゃないだろうか。でも、やはり修行もしたい。きっと拙者は、「一歩踏み出す」、ということが「怖い」のだ。「不安」なのだ。これまでの拙者は「変化を恐れて」いた。だからこそ、今、一歩踏み出そうとしているのかもしれない。少しでもいい。みんなのいる、いろんな仲間がいる、そんな世界に飛び込みたくなったのかもしれない。きっと、自分の決めた道が正解。後から後悔するかもしれない。でも、それでも、やってみる価値はありそうだと思った。いや、「やってみたい!」と思った。

「少しの間、考える時間が欲しい。はじめは「お試し」として、仕事のメンバーに加わることはできるだろうか?」

拙者は訊いた。今、我に決断することは無理だと思った。でも、やはり、自分の心は「やりたい!」と言っている。たまには自分のやりたいもの、行ってみたい世界に飛び込んでみたい。だから、「お試し」を提案した。きっと、「お試し」をした後だったら決断できる。根拠は一つもない。でも。でも。自分の本能が「きっと決断できる」と言っているのだ。拙者は自分を、今回は信じてみることにした。

弥生さんはしばらく考えた後、

「いいよ。じゃあ早速今日から、よろしくね!!」

と元気あふれる言葉を言ってくれた。今日から、(仮)ではあるけれども、拙者もメンバー。そう思うと、なんだか心が弾む気がした。

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