第18話 地獄蝶

真っ赤に燃える花びらが


幻の黒い蝶にひらひらと遊ばれていて


この遠い時間を与えてくれた


神様に素直に感謝したよ


赤い頬を持った君は誰も仲間がいないのか、


とても淋しそうに


うろたえながら遠い空を見つめて泣いていた


君に会えてすごく嬉しかった僕なのに


君があまりにも


感傷的に泣き咽ぶものだから


僕は何の慰めをかければよいのか


全くわからなくて、僕の方こそうろたえてしまった


ごめんね、僕もこの世界に生まれたばかりで 


この世界のことを何にも知らないから


約束された秘宝を失った君に僕は何にも出来なかった


ただ見守って冷たい地面から


風にその思いを告げるしかなかった



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