第9話 水花火


暗い、暗い ここはどこです 


僕は誰 


ごつごつとした岩壁のみがありました


上には光が助けて


助けて下さい、お母さま




手を下ろせば水の底 


雫が落ちる雨夜の星


蜆(しじま)の果てまで堕ちていく 


悪魔が踊り、誘惑する 




あれはいつの日 


入道雲 


僕は帽子をかぶります 


昼下がりの清流で 



一人で川遊び 


冷涼と 


ゴウゴウ、ゴウゴウ 


遊びます 


水花火とともに


ゴウゴウと 




お空を見上げて稲妻が 


今になって思い出す


あれは夢です 


白昼夢 


僕は動けぬ闇の中

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