【プロット】胸を大きくする黒魔術を幼なじみにかけたら学園能力者バトルが始まりました

バンブー

プロット

◯参考作品

『Cult of the Lamb』

『真・女神転生if...』

『アントマン』


◯世界観

現代日本のとある高校が、悪魔契約の儀式で異空間に閉じ込められる。

異空間の中では数人の生徒に超能力が目覚め、異空間を作った者が他の一般生徒達を支配しようとする。

状況の割りにギャグ要素強め。



◯主要キャラクター


①押江アクト

 主人公。

 中肉中背、普段の見た目は普通の高校生。ただ、黒いパーカーとシルバーアクセサリーを常時鞄のバックにしまい(校則違反)学校で儀式を行う時に正装として着用する。

 親が宗教にはまりほぼ家庭崩壊しており、宗教の教えに反抗しネットで取り寄せた本を用いた悪魔崇拝者の真似事をする高校生男子。本人は悪魔がいたら面白いなと楽観視している。

 幼馴染みのヨルカと共に悪魔契約の真似事を行い、胸を大きくしてしまい『シールを貼ったものを拡大させる』能力を得たと気づく。作中では能力を得たことで全能感が更に増してしまい態度がデカくなるが、学校生活では目立たない立ち振舞いをしていた為、クラスの人からはあまり名前を覚えられていない。

 親しみを感じる相手には邪気眼系中二病の言動をする。右腕に包帯を巻き付けておりタトゥーシールをつけた腕を隠しているだけで意味はない。

 無駄に適応力と連想力があり、異質な状況でも冷静?に対応し、見当違いもあるがわかりづらい答えを言い当てることがある。


「クク……ついに目覚めたか。この腕に封印されし白夜の魔獣、お前の力……俺が使わせてもらう!」

「フフ……なるほど、お前は虐めていた人間を猿認定していたと言うことでその力を手に入れたのか。つまり! 虐めてきた人間を猿に変える能力! つ・ま・り! 虐めなければ猿にならない! 解は導きだされた!」



②上沢ヨルカ

 ヒロイン1。

 アクトと幼なじみで普段物静で地味で友達が少ない女子高生。

 両親が宗教にはまっており、同じ団体の繋がりでアクトと昔からの付き合いがあり普段は「あっ君」と彼を呼んでいる。

 アクトと悪魔崇拝ごっこをする時のみ、彼の言動に合わせてゴスロリ服を着用しその時の彼からはヨルムンガンドと呼ばれ(意味はわかっていない)彼のことをマスターと(従者という設定)で呼び会う。学校生活でもいつでも着れるように衣装は常備するようにとアクトに指示されていて、頼まれると断り切れない。

 いつもおっとりとしているが内気でかつ低身長で貧相な自分にコンプレックスがあり、お祈りの気持ち程度でアクトと一緒に胸を大きくする儀式を行い成功してしまう。

 だが、彼女もその儀式で能力が覚醒しており『視界に入っている物同士を結びつける』能力を得ているが本人に自覚はない。


「……はい、マスター」

「あ、ああああ、あっ君! むむむ胸……私の胸が! 胸が!」



③小菅(こすが)リリ

ヒロイン2。

 正体は悪魔。

 今回の事件の発端となった力を持っている。アクトのクラスに転校してきた少女。サイドテールの美人で愛嬌があり、転校初日で注目を集める彼女だが、その直後に学校が変異に起こり巻き込まれる。混乱する中、アクトに自分が儀式で召喚された悪魔であることを打ち明ける(本当は違うのだが契約の名義が彼になっており後程気づく)。

 アクト達の能力と学校の変異も自分の力が発端であることを伝え、悪魔契約の対価としてアクトの命を頂こうとするが、何故か上手くいかず、代替え案をアクト本人から提案され命の代わりに処女を渡そうとケツを向けられる始末。

 変異等で力を使い本来の力を出せない為、結局アクトと同類の人種であると見なされこの学校の変異が解けるまでの間アクト達と行動を共にすることとなる。背中からタコのような触腕を出して攻撃する。


「あ~あ、人間って本当に愚かね。さあ、これからも私のことをたっぷりと楽しませてちょーだい」

「今まで聞いてなかったの!? この状況を作ったの私! いろんな子達に能力を渡したのも私! 私ラスボス! ずっとそう言ってるでしょうが!!」



④良人フウキ

 生徒会長であり、今回のラスボス。

 イケメンで中肉中背。

 アクトとヨルカの親がハマっている宗教教祖の息子。彼等宗教の集まりにアクトは関わろうとしなかった為フウキのことを知らなかった。

 フウキは自身の親が運営している宗教をあまり良いものだと思っておらず、お金を巻き上げることではなく本物の上位の存在から力を得て世界を変える程の影響力を作ろうと考える。

 彼の財力で得た情報で悪魔契約を本当に行い、学生達を能力者に変え能力者軍団を作り、統制をとろうと異空間に閉じ込めた。

 悪魔契約の上で自分を生け贄にしなければいけなかったのだが、自分の命の代わりアクトの情報を使い代理として生け贄に捧げようとした。(宗教団体に登録されていた同じ学校の生徒であった為選抜された)

 『囲った空間を異空間に飛ばす』能力を得ており、自分の意思で異空間から戻すことも出来る。


「この世界の人々はありもしないものに騙され、偽物の幸福に満たされている。だから僕が本物を作りそれを崇拝するせかいにするんだ」

「君達も選ばれた人間だ。どうか僕に力を貸してくれないか? 一緒に神となろう」



⑤福原カエデ

 生徒会副会長。敵1。

 ショートヘアでスタイルが良く、冷静沈着な印象を受ける見た目。

 フウキから『定規を刃物に変える』能力を得ており、卓越した運動神経で近接戦にて彼を守る役。剣道部だったが胸が元々大きく顧問にセクハラされ、それを周りの大人達に相談したが事件を有耶無耶にされ、最終的にカエデは退部することになった。大きな胸がコンプレックスとなり大人を心底恨み、その憎悪を知ったフウに声をかけられ副会長を勤めることとなった。


「汚らわしい……胸を大きくさせて、何が楽しいというの?」

「私は副委員長、福原カエデ。会長の邪魔はさせない。退かないのなら命はない」



⑥井尻マジメ

 生徒会書記。敵2。

 ガリ勉風の低身長で眼鏡をかけた男子生徒。不良グループから集団で殴る蹴るのいじめにあっており金品もカツアゲされていた。

 フウキに声をかけられ『憎悪を抱いた物を猿にする』能力を得て、猿人間を量産した張本人。


「ひひひ……やれ猿ども! アイツをボコボコにしろ!」

「ふひっひっひ! 僕はそう思わないね! どうせコイツらは馬鹿でクズで最低の猿なんだよ! コイツらが死んだところで世界少しキレイになる程度のゴミでしかないんだ!」





◯物語構成

・全4章構成


『プロローグ 覚醒 3000文字』

 放課後、誰も高校図書室にて男女二人の学生が怪しげで折り紙やノートで作った手作り感の強い儀式執り行っている。そこにゴシックロリータの衣装をまとった女子高生のヨルカと黒いパーカーとフードを被りシルバーアクセを身につけた男子学生のアクトがいた。

 アクトとヨルカ登場。

 ヨルカが衣装から胸元を恥ずかしそう見せ、そこへ呪文を唱えながらシールを貼り濡らしたカーゼで軽く拭く。作業を終えるとこれで儀式を終了したとアクトは宣言する。これから書物の通りヨルカの胸が大きくなるはずだと宣言し二人は怪しげな笑みを浮かべその日は終わる。

 次の日、ヨルカとアクトが早めに昨日と同じ図書室へ行く。普通の制服を着たヨルカがすぐさま胸元を見せると。すぐさま自分達が行った儀式かもしれないと、簡易的に準備し再び儀式を行いシールを小さい方の胸につけると、瞬間大きくなりバランスが良くなった。非科学的な現象に驚きつつ、自分に新たな力が宿ったと歓喜するアクト。


『1章 変異 22000文字』

 朝のホームルームの時間、ヨルカと別れ右手を痛くもないに押さえながらアクトはニヤニヤと優越感に浸るアクト。そんな中クラス担任から転校生が紹介される。

 小菅リリ登場。

 美少女の登場にクラスが沸くが、アクトは気にせず能力を何に使うか妄想にふける。リリはアクトの隣の席となり、彼に話しかけるが「止めろ、今の俺に話しかけるな……闇の世界と関わることになる」等と相手にしない。

 リリは意味不明な彼の言動に困惑しつつ、悪魔契約により召喚された悪魔だと自己紹介し、対価として契約者のアクトの命をもらうと耳打ちする。それを聞いたアクトは、自分と同じ系統の美少女だと喜び話に乗っかり初めリリは更に困惑する。

 その時、突然廊下から悲鳴が聞こえ窓の外から猿の頭をした学生達が教室の中へ乱入する。教室は一気にクラス全体がパニックとなり逃げ惑うも出入口を塞がれ教員は連れ去られる。

 女子達が襲われはじめリリにも魔の手が伸びた時、アクトが迅速に教室を駆け回りリリや他の女子達の胸にシールを貼る。女子達の胸を規格外に巨大化させ猿人間達を怯ませる。猿人間の股間にシールを貼り巨大化させ身動きを封じる。急所が大きくなりクラスメイト達に袋叩きするにするよう指示し、猿人間達を無力することに成功。

 混乱が落ち着き、教室の生徒達にアクトは自分に能力が宿り猿人間達を撃退したことを伝える。自身の能力で男子生徒達の四肢を巨大化させクラスを守るように指示する。

 突然の彼のリーダーシップと能力を見た生徒達はアクトを支持し団結する。(ついでに彼らのコンプレックスの身体の部位も巨大化させ支持を更に集めていく)

 そんな光景にリリは唖然としつつ、どうしてこんな状況で普通の人間が冷静対象したのかアクトに訪ねると、日々教室が何者かに奇襲されることを想定しており、イメージ練習のたまものだと自画自賛し、リリは失笑する。

 アクトは教室を出て隣のクラスにいるヨルカを救出しに向かう。

 隣のクラスの扉を開くと猿人間同士が合体し合い動けなくなっていた。唖然とする生徒達の中に怯えた様子のヨルカがいた。

 猿人間達の様子に自分以外にも能力者が他にいるのではないかと確認するが誰も声をあげない。

 沈黙する教室にアクトを追いかけて来たリリ呼ばれ廊下出る。



『2章 対価 30000文字』

 リリとアクト、怯えた様子のヨルカが廊下で会合する。

 リリは儀式に呼び出された悪魔で、人々に能力を与えたのは自分だと自己紹介する。この儀式の成功により契約者は対価を払わなければならないと説明、すぐさまアクトの命を奪おうと腕を掲げるが何も起きない。

 動揺した彼女にアクトは命の代わりに処女を渡そうとズボンを脱がれケツを向けられる。

 リリはそんなものを代替えしたくないとツッコミを入れつつ何故アクトの命を奪えないのか考え、もしかしたら自分を召喚した時に術者本人でない者を生け贄に捧げようとしたのかもしれないと考えるが、アクトは自分が悪魔契約の儀式をしたのだと主張する。

 リリは、それならアクトの命をすぐに手に入れられるのだがと深く説明するがアクトは自分の話に合わせろと、元々リリのことを悪魔であると事象している転校生であると認識し続けている。

 どちらにしろ、リリは本当の契約者を見つけないと本来の力を発揮できない為、この学校を捜索すると言い歩き始める。

 アクトは彼女を止め、「仲間は多い方が良いだろう。お前はすでに俺と血の契約を交わした同士だ」と意味不明な理由で一緒に行動するように諭すと、しばらく考えた後リリはアクト達と行動を共にすることを決める。


 アクト達は助けた生徒達を肉体強化し、まず全校生徒職員達の救出を試み、アクトのシールの力によって身体の一部が巨大化した生徒達を数の力で猿人間達を追いやっていく。

 そんな中でも大人は猿達が優先して連れ去っていき助けることが出来ない。

 そんな中でも食堂、保健室、理科室を奪還し食料と薬品類を確保。

 捉えた猿人間の生徒手帳は在校生の物だったり、怪我をした生徒達をヨルカが処置すると何故か治りがはやい等の疑問が浮かびつつ、アクトを慕い始めた生徒から、大人達が体育館に収容されている情報を聞かされる。

 学校散策を強化された生徒達に任せ、アクトとヨルカそして、リリは猿人間を倒しながら体育館へ到着する。

 そこには丸太に縛り付けにされた大人達と、生徒会長フウキ、副会長カエデ、書記マジメの三人がそれを見上げていた。

 フウキがアクト達に気付き、良くここまで来たと称賛する。

 フウキはアクト達が能力者であることを察し、仲間にならないかと勧誘しフウキの思想を教授し始める。

 それを聞いたアクトは、フウキと同じ悪魔崇拝であることに賛同したが、フウキに従うのは気にくわないないと拒否し自分の配下につくよう逆に勧誘してくる。

 彼の言動にフウキ達が困惑していると、アクトは悪魔と契約したのは自分で、悪魔リリを召喚しこの異空間を作り出したのは自分だと説明。

 それを聞いたフウキは吹き出す。

 悪魔契約したのは自分で、異空間へ閉じ込めたのは自分だと説明する。

 それをアクトは否定し……を繰り返し、悪魔を自称するリリに訪ねるとフウキが正しいことが発覚しアクトが激昂する。

 呆れつつリリがフウキが契約者とわかり襲いかかる。

 カエデが彼を庇いつつ彼らは外へと飛び出していった。

 微妙な空気になりつつ、書記のマジメとアクトヨルカが残り、マジメはアクト達を取り押さえる為猿人間達をけしかける。

 アクトは自身や物を巨大化させながらヨルカを庇いつつ戦いマジメに近づいていく。

 マジメは脈略もなく突然自分がいじめられていた経緯を説明し生徒や教員達の怨み辛みを述べていく。(気持ちを高ぶらせてアクト達への気持ちが怒りに変わった時に能力を発動させ猿人間化させるため)

 その発言の中に「バカはみんな猿だ」等、能力と関連性の高いワードを聞き、マジメは何もせず自分とヨルカを猿化させていないことに気づいたアクトは、マジメが『憎悪を抱いた物を猿にする』能力ではないかと言い当ててしまう。マジメは図星を突かれてテンパってしまいその間に彼へ接近。

 攻撃してはいけないことを察したアクトは、満面の笑みで「友達になろう」と誘う、困惑するマジメへ更にヨルカも彼の手を握り、友情の証でシールを手渡しする。

 優しくされたことのないマジメ(フウキに対して協力関係問いだけで優しい扱いは受けていない)は戦意喪失してしまい気持ちを浄化されてしまう。

 猿人間達は徐々に本来の姿へと戻っていきその場で倒れていく。



『3章 契約 30000文字』

 大人達を救助し体育館を後にリリ達を追い校庭へ出る。

 校庭へ出ると中央で、腕と足が切られたダルマ状態のリリの姿がありヨルカは絶叫する。だが、リリは悪魔でありぴんぴんしており死んでいなかった。

 アクト達を見つけたフウキは、悪魔を捉え自分達が本当に自由な存在になったと告げ再び仲間になろうと誘ってくるが、アクトはリリが仲間であり仲間を傷つけたことを許さないので、フウキを奴隷という立場で土下座しながら願いをこうなら仲間にしてやろうと何処までも上から目線話す。

 その態度に会話は不可能だと判断したフウキはカエデに彼らを殺すように指示し戦闘になる。

 カエデが定規を刀のように構え前出る。

 唐突にアクトが大声を上げるすると、校舎の屋上から生徒達が物を校庭に向けて四方八方から投げ込む。

 物達には事前にシールが貼っており、アクトの合図と共に巨大化させる。巨大化した机でアクトとカエデ、フウキと囚われたリリを囲み戦いに入る。(ヨルカは机隙間から観戦することとなる)

 カエデが動いた瞬間、落ちていた椅子を巨大化させ動きを阻害する。

 更にアクトが転がっているサッカーボールを彼女に向かって蹴り飛ばし、途中で巨大化させカエデを攻撃する。

 彼女を近づけさせない遠距離で攻撃をし続けるが、カエデは攻撃を受けながらも順応し始め、何が巨大化するのか見極め回避しどんどん近づいてくる。

 アクトが自分の前に最後の防波堤となる壁を作るがカエデの斬撃で切り開かれ、彼は首を切られる。

 皆の前でアクトの首が飛び、ヨルカが叫んだその瞬間、巻き戻されるように空中の首が彼の胴体へ繋がる。その奇跡を目の当たりにし皆同様するが、意識を取り戻したアクトのみヨルカの能力で首が繋がったのではないかと気づく。

 彼はヨルカに自分を見続けるように指示し、カエデの動きを止める為接近戦を試みる。何度も身体を切り飛ばされるが再生し彼女の胸にシールを貼ろうと試み続ける。

 カエデも動揺していたが彼の言動を察し、標的を机の奥にいるヨルカへ変更し接近するがそこに一匹の猿が飛び出す。

 猿の自分がマジメであると喋り、アクトへ身体に貼ったシールを見せ巨大化させるように指示する。

 アクトが合図すると猿化したマジメが3メートル程の巨大猿へ変身しカエデを吹き飛ばす。奇襲に成功したマジメはカエデの動きを止め、アクトがその隙に彼女の胸に接近しシールを貼る。胸が足元に着くほど巨大化させ物理的に動けなくしたところでカエデが泣き出してしまい戦闘が終わる。

 カエデが何故泣いているのかアクトが訪ねると、過去に自分の胸が原因でセクハラを受けたことを思い出したようで、自分の胸を切り落とすと半狂乱になっていた。

 アクトは「そうか……」と彼女が持っていた定規を叩き落とし無情にもそのまま放置する。


 戦いを終え、最後にフウキと対決することなる。

 マジメは彼の能力を知っており、アクト達に『囲った空間を異空間に飛ばす』能力であると伝えるその途端、フラフープがアクトに向かって飛んでくる。

 マジメが彼を投げ庇うように前へ出るとフラフープをくぐり抜け消えていく。

 前を見るとフウキが笑顔フラフープを複数手元で回しながら近づいてくる。

 アクトは落ちている物達を巨大化させて攻撃するがフラフープに触れると消えていく。

 フウキの上へ物を落とすと、足元に円を描き異空間の中へ移動。何処からともなくアクトを攻撃し続ける。

 ついでにフウキの流れ弾で巨乳のカエデも異空間に取り込まれる。

 追い詰められアクトにヨルカが前へ出て異空間に取り込まれる。

 完全に追い詰められアクトにリリが自分のパーツを探せと叫び、彼は異空間に取り込まれる。



『4章 拡大 18000文字』

 アクトは異空間だ漂い意識がもうろうとしていると起こされる。

 視界は地に足着かない異空間の中で、目の前に手足だけの4パーツが彼の前に浮いておりパーツが組み合う。

 両手を重ね合わせ影絵の犬の頭を作り出し切断面に両足が付き二足しかない犬が完成する。その物体からリリの声を発声させ話しかけてくる。

 どうやらここは現実から隔離された思考の世界らしく、この空間に入った者は存在定義があやふやになっており、ここから自力で抜け出すのは至難の技だと言われる。

 アクトも理解しきれないが、どうしてその事をリリが知っているのか訪ねると、リリの持つ本来悪魔が持つ力の領域がここであり、ここにある人の思考を現実に持ち出して人に与え、堕落させることが目的らしい。

 今回それぞれの能力は、能力者本人の願望が具現化したものだと話してくれる。

 アクトがマジメの言動と彼の能力に似ていたことを話すと、背景が学校に変わりマジメが不良達からいじめを受けてる映像が流れアクトの目の前に猿のマジメが気を失った状態で現れる。

 その人間の思想を理解すると、本人を手繰り寄せるらしい。飛ばされた人間を集めることにする。

 次にカエデのことを考察すると、彼女のセクハラを受けていた映像と共に気を失った本人が現れる。

 次はフウキを適当な感じで考察すると、彼が自分とヨルカの両親が所属する宗教団体トップの息子であることがわかり、彼の思想も見えてくる。彼自身は現実世界にいるため現れない。

 最後に確証がなかったヨルカの能力を考える。恐らく『視界に入っている物同士を結びつける』能力であること間違いないと思うと予測すると、視界にヨルカの記憶が流れてくる。教団にいた頃にアクトと出会い、嫌だった家庭環境の中で互いの境遇を理解し合い、それに少しでも反発するアクトの姿に心引かれていった。

 彼の気を引きたい気持ちはあったが、貧相な自分の身体にコンプレックスがあり、胸を大きくする儀式を行ったが、本心は彼とこんな遊びをずっと続けていたいという気持ちが強く、結びつける力を得たことがわかる。

 リリに茶化されつつ、気を失ったヨルカが現れる。彼女に手を伸ばすが、アクトは自分に実態がないことに気付き、自分の拡大させる力、自分の本心を考える。

 最初はヨルカの願いを叶えることがきっかけだった。別に彼女の胸の大きさは気にしておらず、彼女が少しでも楽しんでくれれば良かっただけの話だった。

 元々両親が通う教団が明らかに金儲けのみで動く悪質なカルト宗教であることに気づいており(消費者庁のホットラインの情報をスマホを持たされていない為知らない)それを盲信する両親や大人達を救うには別のカルト宗教を作り、人々が不幸にならない物を自分が作るしかないと思っていた。

 図書館を使い悪魔信仰の存在を知り実行し続けたのも自分が教祖となり、ヨルカだけでなく多くのカルト宗教、自分が不幸あると思っている人達の不幸を取り払うことが根底にあったと自己分析する。

 幸福の拡大化であった。

 そこで、実態が戻ったアクトがヨルカを起こす。夢うつつの彼女を抱き寄せつつヨルカとリリに協力を求める。

 自分の能力の根底は概念の拡大化であった。ヨルカの結びつける能力事態を拡大化『拡大解釈』させ自分達と現実世界を結びつけ帰還することを試みる。



 一方、現実世界の隔離された学校の体育館の中で壇上に立ったフウキが全校生徒を集め演説していた。

 そして壇上の下で四肢の無い裸状態のリリが集められた薪の上に置かれていた。

 フウキは見せしめと厄介払いも兼ねてリリを火炙りにしようと生徒や職員達に指示する。皆恐怖で震え上がっており、しぶしぶたいまつで薪を燃やそうとした時、天井から巨大化した猿マジメと彼の上に乗るアクト、ヨルカ、カエデが現れ薪を散らす。

 アクトが全校生徒に帰還したことを告げると皆歓声を上げる。

 フウキが驚きつつ何かあった時用に書いてあった円により異空間へ戻そうとするが彼等は移動しない。フラフープを投げても効果がないことに驚愕する。

 アクトが声高々にヨルカの能力を拡大化させたと説明し、彼女の頬にハートのシールを付けていることを見せつける。

 ヨルカは力を使い学校を現実世界に繋ぎ合わせ皆が帰還することに成功し、皆は更に歓喜する。

 そして、ヨルカが能力を使い続ける限りフウキの能力は事実状無効化されることとなった。

 アクトがその間にリリのパーツを本体に戻すと彼女が覚醒、裸ら面積の少ない衣装を見にまとい黒いタコの触手をフウキに伸ばし、四肢を掴んで引きちぎろうとする。

 だが、アクトに殺すなと要求される。

 契約なのだとリリはアクトに言うと、それでも殺すことはするなとお願いされる。

 リリはため息交じりに方針を変更、全校生徒の前でフウキの処女喪失を決行する。

 フウキは断末魔と共に辱しめを受け戦意喪失。こうしてこの事件は解決に導かれた。



『エピローグ 未来 2000文字』

 日常を取り戻したアクトとヨルカは、いつも通り学校へ登校する。

 あの件でヨルカの気持ちに気づいたアクトは、ドキマギしながらも普段通りに接していると、後ろからリリが茶々を入れてくる。

 リリは契約者の処女喪失では本来の力を取り戻せず、学園生活を送ることとなった。

 アクトが申し訳ないと謝ると、彼女自身アクト達の進む行く末が気になる為、現世に残り続けると決めたらしい。

 アクトが本当に悪魔信仰をこの世に広げ、世界の人々を救うことが出来るのかを見届けたいとのこと。

 リリはアクトの教団幹部になっても良いと、イタズラな笑みを浮かべて彼の腕を組む。それを見たヨルカは嫉妬し負けじと彼の腕を組む。

 それにアクトは高笑いをし誓う。

 自分や同士達の力を使いこの世の宗教を自身の教団に塗り替え、救いを求める人々全てを救って見せると。


 彼等が校門の前に到着すると、胸がやたら大きい女子生徒と背などが大きい男性生徒や教職等が笑顔で道を作り、アクト達の登校を出迎えてくる。

 アクトコールの中、彼とヨルカは手を上げ今日から世界を変える為の布教活動を行い、皆手伝ってくれと告げると歓声が上がる。

 そして、アクトとヨルカが互いに微笑み合う中、リリは人間の愚かさにほくそ笑むのであった。




※作品はここで完結。続き等は無し


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