ヤゴ
アルゴン
きり
僕は憂鬱だった。
「虫を捕まえる。」
そのことが分かった瞬間、僕は指一本動かさず、視線を震わせながら机上を見ていた。チャイムが鳴っても席に座り続け、しばらくの間うつむいていた。
その後の授業は、、。
なぜだろう。しっかり聞いていたはずなのにあまり内容が思い出せない。
「昨日はちゃんと寝たはずなのに。」
心の中の自分は、ぶっきらぼうにそう言った。
校門を抜けると、僕は隅に転がっていた石ころを蹴った。蹴って、蹴って、蹴り続けた。
「なんでこんな音が鳴るんだろう。」
家に着く頃には、もう僕は、石ころのプロ奏者になっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます