不登校だった中学生時代の俺

士郎

第1話 春のこと

よく不登校という言葉を耳にする。俺のクラスにも一人の不登校の生徒がいた。正直羨ましい気持ちがあり悩みとかなく、人生楽しているのだろうなと思っていた。そしてどこか別世界の出来事な気もしていた。自分は普通に全日制の高校に進学して大学を出て就職をするのだろうと思っていたからだ。そんな俺がまさか不登校になるとは思っていなかった。不登校になったのは中三の春のことだった。


中三にかけての春休み、俺は学校の課題をしていた。春休み終盤に近づいた頃、全く課題が進んでいないことに気がついた。中三から少しは真面目になろうと思い取り組んでいた俺だが全く変われていなかったのだ。努力ができなかった。単なる甘えだと思うが自分にはできなかった。そんなわけで春休み最終日、全く課題が終わっておらず絶望していた。まぁ数日休んで課題をこなせば怒られることはないしそうしようと安直に考えていた。だが、今考えるとここが既に間違えていたのだ。


学校が始まって2日目が過ぎた頃、流石に課題をやっていなかったことで学校を休むことに罪悪感を覚えていた。学校にも体調が優れないと言って休んでいた。先生が心配して連絡をくれた。これがとてつもなく苦しかった。次の日からは無断で休んだ。今から思えば全てから逃げていたのだ。


無断で休んでたことに対しても罪悪感を覚え、学校に行ったら先生に怒られるのではないか?など気まずさを感じて学校を休むようになった。どこかで逃げずに学校に行かなくてはいけなかったのだが俺にはできなかった。ただ、今すぐ時が経ってほしいと思うだけだった。


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不登校だった中学生時代の俺 士郎 @suna_kaku

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