眩しいのは光だけ。

みつおさむ

第1話

『短編小説』眩しいのは光だけ


私の名前はひかり。
ひらがなのひかり。

お母さんに聞いてみたら、ひかりって、ピカピカだし、漢字よりも可愛いから、ひらがなにしたのよって言われて、なんだか私の名前って、キラキラネームってやつかしらって思ったりしてる。

学校できらきら星を演奏した。

なんだか得意。

だって私の名前がヒカリだから。

女友達からは「キラちゃん」っていうあだ名を付けられて、男子からは、からかわれたりするんだけど、自分の名前が嫌いになったりすることはない。


私は音楽が大好きで、特にピアノ。
家には運よくピアノが家のど真ん中にあって、小さい頃からの大親友がピアノ。

友達っていう人は沢山いるけれども、ピアノを超える友達は出現したことがなくて、どうしてピアノって生きていないのかしらと、よく思うのだけれども、もしも、生きていたらば、タキシードを着たイケメンかしらとか妄想をして、夜たまに夢を見る。

彼に抱かれた私は、もう死んでもいいだなんてぼやいちゃったりしちゃって、、

へへ

浮かれているといつもお父さんが言う
「真剣にやりなさい。」

わかってるけど、どうしても、ピアノを弾くときにはニマニマしちゃって、好きな人ができたら、こんな感じで顔の筋肉がゆるゆるになって、誰かに「真剣にやりなさい。」って言われちゃうのかな?

お父さんはいっつも私に厳しくて、オーケストラの指揮をしているものだから、指導癖?ってやつなのかな?本当に厭。

お母さんは、のほほんとしてて、私がニマってすると、一緒にニマってしてくれて、楽しい。

弾き終わってみると、なんだか寂しくなってしまって、急にあのイケメンくんは冷たくあしらってくる。

私の名前って、たぶん、自ら光るよりも、イケメンくんに光らせてもらってる感じがある。


ひかるって名前、大好き。

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眩しいのは光だけ。 みつおさむ @mtosm315

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