Тихий Dawn: Prelude 1

 僕は記憶アーカイブの再生を一時停止し、再生用ヘルメットを外す。

 目的を明確にする。

 図書館へ世界のことを調べに来た。

 手段を明確にする。

 図書館の蔵書、巡回ドローン、記憶アーカイブ、その他設備、そして僕自身の全てを駆使して謎を解く。

 岩石砂漠と都市廃墟の百景巡りの後、記憶の深淵を潜った。

 記憶アーカイブに不思議な魅力を感じる。

 手段を目的化してしまいそうな魅力。

 つまり、思い出すこと自体が目的となること。

 ああ。

 別に、それでも良くないか?


 静かな朝。

 東雲しののめの光は、僕を安らかに包み込む。

 本棚に積もる灰は歳月さいげつうったく。

 光陰こういん矢の如し。

 いて永生きする僕。

 老いず死んでいく世界。

 永遠を手にした咎人とがびとよ!

 答えなき静寂せいじゃくは、

 たまを引き裂くぞ。

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