よくある異世界NTRざまぁと思ったら?

クロスディアⅡ

第1話 プロローグ

第1話


「行ってらっしゃい、リナ!必ず帰って来るんだぞ!」

「うん、行ってくるよレオ!一日でも早く魔王を倒して、帰ってくるから!そしたら、結婚しよう!」


俺にはリナという幼馴染が居た。


俺達は辺鄙な所にある普通の村人だったのだが、とある日に事件が起きた。


リナが賢者へと覚醒した。


そのせいで、俺達の村に勇者達が来て、離れ離れになる事が決定した。


もしかしたら、二度と会えないかもしれない。


でも、賢者は彼女にしか出来ない。


だから、彼女は勇者達と一緒に行く事を決めた。


俺は笑って送り出す事を選んだ。


帰ったら結婚する事を約束して。


「待ってるからな、リナ………」

『ちゃんと帰ってくると良いね。』

「帰ってくるさ。アイツは約束を守る奴だからな。それは一緒に見てきたお前もしってるだろう?」

『だね。ああ、早く帰ってこないかなぁ?』

「それは俺の台詞だ。」


そして………


「やっと倒せたんだな、リナ………」

『やった♪帰ってくる♪』


こんな辺鄙な村にも新聞は来る。


その新聞にはこうハッキリと書いてあった。


…………『勇者一行、魔王を屠る』と。


☆☆☆


「ごめんなさい、レオ!」


彼女が勇者達と一緒に村へ帰ってきて、俺と再会した時、唐突に謝られた。


えっ、どういう事だ?


「私、勇者様と結婚するの………」


………………………………………………は?


「最初は早く帰りたかったの。でも、危険な事ばっかりで、どんどん私は追い詰められちゃって………」


何を言ってるんだ?


「そんな所を勇者様に助けられてく内に、どんどん勇者様に惹かれていって、私の中のレオが小さくなっちゃって………」


本当に何を言ってるんだ?


「本当は直ぐにレオに伝えなければいけなかったのに、ズルズルと引き延ばしちゃって、一線も越えちゃって、それで私の中に………」


嫌だ、聞きたくない。


「………だから、ごめんなさい!裏切って、約束を破ってごめんなさい!」

「僕の方こそ、すまない!だが、僕達は愛し合ってるんだ。だから、認めてくれ!」


………ああ、もうどうでも良いや。


「そうか………幸せになれよ、リナ!」

「レオ………」

「おい、勇者様。リナを泣かしたら、ぶっ飛ばしに行くからな!村人ナメんなよ?」

「………ああ!」


はは、とんだ当て馬だな俺………


「じゃあ、さっさと帰った方が良いんじゃねぇのか?まだ、凱旋もしてねぇんだろ?俺は疲れたから寝るわ………」


ああ、本当に眠い。


もう、真っ暗………


☆☆☆


『って、ハッピーエンドにさせる訳がないだろうが!頭可笑しいのかな、君達ィ!?』


続く


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