本の神器チート過ぎワロタ

「あああ、くそったれだ、やられた、良さそうな神器ほとんどとられた」


 改めてメガネのないぼけた視界で周囲を見渡すが、残っている神器は、マスクやら本やらメガネやら大量の指輪に、冷蔵庫とかノートにサングラス等々、武器系統はほとんど全滅、スマートフォン見たいな明らかに超絶使えそうなものも全滅だ。

 ようは、余りものしかないのだ。

 まあ、そりゃそうだろうなって話だ。

 あの謎の声の言葉通りならばこの状況に理解のあるオタクのみが集められていたのだ。

 そして、謎の声は早いもの勝ちと言っていた。そんである程度ではあるが神器を確認する時間が設けられていた。

 異世界系統に理解のあるオタク、目の前には神器、有名なアニメ化作品や異世界系統ライトノベルで無双している剣やら盾やら銃やらスマホ。

 ここまでの状況が揃ってるわけだ。

 そりゃ、まあ、猛ダッシュで狙った神器を取りに行くはな。そんでもって、もし先に狙ってた神器が取られても、ある程度代わりとなる神器の目星もつけてるわな。

 俺だってそうするよ。当たり前だよ。


 ・・・・・・・・


 それが、ねえ。余り物・・・


 ・・・・・・・・


 絶望って奴だな。


「さて、本気でどうしましょうか」

 我ながら恐ろしく悲しい声が出た。


「まず、メガネを取ろうかな」

 結構本気でメガネがないと視界がぼやけて辛い、それに神器は三つまで選べるんだ。これからのことを考えるとメガネをとってもいいだろう。

 一切の冗談抜きで視界が悪いというのが辛すぎる。


 俺はそう思い、ぼやけた視界でメガネの神器を探して、見つけたのでかけた。


 そして、その瞬間世界が変わった。


「ここまで良く見えるのか」

 俺は無意識にそう呟いていた。


 少しぼやけてた視界が綺麗くっきり見え、神器を2つ選び終えて最後の一つを悩んでいる人の顔というか集中すれば毛穴まで見える。

 そして、何より驚いたのか、神器の名称が見えるようになったことだ。

 見たまんま本とか指輪とかマスクしか分からなかった神器の上に本ならば本の神器とマスクならばマスクの神器、指輪は雷指輪の神器や火炎指輪の神器に集中指輪の神器等々どういったものなのかが視界に入っただけで分かる。


 凄いなこの眼鏡鑑定機能あるのかよって、待てよ、これゲームとかラノベを考えると詳細鑑定出来るんじゃないか?


 俺はそう考え着くと同時に近くにあったかなり厚めの辞書みたいな本の神器を詳細に鑑定したいと念じながら見た。


 本の神器

 能力

 ・本を読み楽しみたいという欲求、本を読み知識を得るいという欲求等の本を読みたいという思いが欲が集まりこの能力を得る。

 この本は念じるだけで地球と異世界両方の世界に存在する全ての本に変化する。

 ・本を読み知識を得て学び成長する、その一連の動作からこの神器はこの能力を得る。

 この本の神器を使って読んだ(得る)知識は物凄く覚えやすくなり成長しやすくなる。

 ・本を書き様々な人に知識を能力を与えた者の偉大さを称えてこの能力を得る。

 知識のある者に本を使って物事を教えた場合、その者の成長力を上昇させる。

 ・本というのは様々な言語で記されている、それらを全て読めるようにとこの能力を得る。

 地球と異世界に存在する全ての言語を理解出来るようになる。

 ・本を書き様々な人を楽しませた偉大なる作家に敬意を払いこの能力を得る。

 本を読み楽しんだことのある者とは仲良くなりやすくなり、読んだことない人でも楽しく本を読ませることにより仲良くなれる。

 ※神器は絶対に傷がつかず、壊れない。また、神器は譲渡や盗むことが出来ず何があっても所有者の元に必ず戻る。

 ※まだこの神器は完全開放されていません。


「へ、へ、は、え、ふゃ?強くないか、これヤバ過ぎやろ」


 あ、やべ、声に出てしまった。周りの人は特に気が付いてないな。

 これは確定だな、余りにも強すぎる、だって、能力的には成長補正に全言語理解に分からないことをほぼ全て調べられる万能本。更に人と仲良くなれて他の人にも成長補正を付与できると。

 うん、この本だけで異世界余裕そうなんだけど、強いな。でも本ってある意味で異世界系統チートの定番な気がって、あ、今のご時世だったらスマホで本読めるし、スマホで何でも調べられるし、スマホの方が圧倒的に便利かつ力を持ってるって思われたのか。

 ああ、なるほど、確かにそうだな。電子書籍が普及してるもんな。本=スマホってのはある意味でデフォルトかもな。

 そう思うとスマホの神器チートだろうな。まあしょうがない。くよくよ悩んでも意味はない。

 もう過ぎたことだしな。


 さて、今から、もしかしたら他にも余り物の神器の中でこのメガネや本みたいに強いのあるかもしれないからな。

 取り敢えずこの本を手に持ってキープするけど、他の神器を詳細鑑定していってこの本を超えるチートな神器が2つとか見つかったらそれにするかって感じ行きますか。


 俺はそう結論を出して辺りを見渡す。そして、ふととあることが気になったけど。


 それは今は全部取られてしまっているが武器系統の神器はどんな能力かなということだ?

 幸いなことに今この場には最後の1個を決めている最中の人が何人かいた。これ幸いとこの人達が決め終える前に武器系統を詳細鑑定してみれば武器系統の神器の能力分かるんじゃねと思い、適当に剣を持ってる人を探し、その剣を詳細鑑定してみた。


 剣の神器1/38

 能力

 ・剣を扱いたいという思いがありこの能力を得た。

 剣の扱いが上手くなる。

 ※神器は絶対に傷がつかず、壊れない。また、神器は譲渡や盗むことが出来ず何があっても所有者の元に必ず戻る。

 ※まだこの神器は完全開放されていません。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・


「は?」


 やべ、また声が出てしまった。

 え、待て弱すぎないか、え、何超絶弱いやん、というか剣の神器1/38ってこれ、もしかして、いや、もしかしなくても、あの場にあった数の剣だよな。

 うん、あれ?これは確実に能力が分散されてるやん、ほんで38個全部集めたら強くなるとかそういうあれやん。


 ・・・・・・・・


 あれ?これ俺勝ったな。というか、俺を突き飛ばした馬鹿はいうほど強くないクソ神器持ってたってことか、ザマアだな。気分も良くなるってもんだって、いやまあそれは今は考えることじゃないな、取り敢えず少し落ち着こう。

 大きく深呼吸だ。


「スーハー。スーハー」


 うん、落ち着いた。

 さてとじゃあ、一応他の人気っぽそうな神器も見てみるか。

 これは、なんとなくだが異世界無双の未来が見えて来たぞ。


 ――――――――


 本の神器>>>>>>>>スマホの神器


 スマホ>>>>>>>>>本


 こんな感じ。(適当)


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