ぼくは底辺画商
そして、ぼくは底辺画商だ。そう底辺。
でも、ぼくには確信がある。
十六夜先生は、天才画家だと!
今の時点では、誰も
ふふふふふ♪
ぼくは早朝に自転車で、
我儘な女子大生の十六夜先生は、あそこのパン屋じゃないと嫌らしい。
坂道があって自転車ではかなり辛いのだが。まあ
ぼくのアパートは、
今や
「
狭いキッチンで、浴衣を着た
寝落ちしたのだろう。
そして床の上には、スケッチが雑に置かれていた。
なんて事を!
大体、天才芸術家は自分の作品の価値を理解していない。
はぁ~
まるで生きているかの様に見える。
じーっとみていると微かに動き出した。
時として
さすが未来の天才画家!
あっ妖精と目が逢った!
ぼくは、素早くスケッチ帳を閉じると、封をした。
ふふふふふ♪
今迄の経験から、封をしても妖精は再び眠りに落ちるだけで、害はない。
「あぁぁ琉依くん、おはよう」
ホント可愛いい声だ。
「あれスケッチ帳は?」
「なんか良さそうなだったので、画廊に飾って置きます」
「あっそぉう、よろしくね」
「これ一応手付金です」
とぼくは3万円札を渡した。
ぼくが深夜に働いたバイト代だ。
うっうっうっ3万円・・耐えろぼく。未来の為に。
「ありがとう、助かるぅ」
ふと床を見ると、色とりどりの絵具色の小さな足跡がついていた。
しまった!逃げられた!
ぼくは焦って、
キャンバスにはいるはずの妖精がいない!逃げたんだ!
封が解かれたんだ。
ひぃぃぃぃ!
焦るぼくに
「どうしたの?」
と可愛い声が。
その隙に、ぼくは急いでキャンバスを幕で隠した。
「なんでもないです」
「そう」
多分大丈夫だ。
ふぅ。
もし
浴衣姿の
平和な日常、そんな日々。
次回『最終話・黒幕は黒猫Ⅱ』へ、つづく
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