さよならペルソナ

吐き出された猫の様子は、先刻までとは明らかに違っていた。


目には真っ黒な殺意が宿り、真っ赤な殺気を放っていた。



「・・・・ハハ・・・・ハ!・・・・ギャハハハハ!!!!」


「『別れた』か!」



「ギャハハハハ!!!ボロゾーキンみてーに刻んでやるニャァァァーーー!!!!」


「そうだ!それがお前の『本質』だ!来い!最後の勝負だ!」



その刹那、ハタダイが光から飛び出して叫んだ。


「『タナカ』さん!!!!」


「・・・・何だとォ?!」



「ハタダイさん!!!」


猫はハタダイを抱き止めると、安堵の表情を浮かべ涙を流した。



「タナカさん・・・ふふ、変な顔・・・・」


ハタダイが猫の顔に触れると、仮面はガラスの様に砕け、跡形もなく消え去った。

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