異世界追放された魔科学師が最初に手に入れたものは残虐な魔王から奪った百人を超える超絶美少女ハーレムでした ~世界最強、美姫達に風呂場やベッドで搾り取られるが全員抱くまで負けられぬ!~
鉄人じゅす
001 異世界追放
「ゼオス・フェルデレス。貴様の強さは危険すぎる……。全宇宙のため消えてもらうぞ」
宇宙を統べる次元統一連邦の精鋭部隊である1000人の魔科学師が俺に武器を向けている。
多勢に無勢、少しずつ戦闘力を削られ、追い詰められていった。
全ては俺を殺すためだけに仕組まれた追放劇。
任務だと言われて出向いた世界で突然味方から武器を向けられた。
魔科学師の多重拘束魔法で縛られ、打たれ放題の攻撃魔法に傷つけられていく。
分かっていたことだが仲間と思っていた奴らに裏切られるのは堪えるな。
こうなるってのが予め分かっていなかったら心が折れていたかもしれない。
裏切られるって分かっていたからこそ、あらゆる手段を想定し、その対策を講じてきた。我ながら強い魔科学師だと思う。精鋭1000人いても防御に専念した一人のエースを消すのに苦労している。
「しぶとい! 追放魔法を準備しろ!」
次の手は次元の彼方に吹き飛ばす追放魔法だった。
魔科学師によって作られた巨大なワープホールを俺に向かって放ってくる。まともに受けたら次元の彼方に飛ばされ藻屑と消えてしまうだろう。
しかし、この瞬間をずっと待っていた。
(クロ! 計算を頼むぞっ!)
『マスター、承知しました』
相棒と事前に打ち合わせたプログラムを実行する。追放魔法と拘束魔法で奴等が勝利を確信して気が緩んだ瞬間、俺は残る魔力を使って拘束魔法を破壊。
驚愕する魔科学師が再度拘束魔法を打つそのわずかな時間を使って……俺は追放魔法であるワープホールで乗り込んだ。
ワープホールは上手く扱えば次元の彼方とも違う異世界へ移動することもできるという話がある。
確率は低いが賭ける価値はあった。
「俺の存在を認める世界へ飛べぇぇぇぇ!」
期待を胸にワープホールに入った俺はそのまま意識を失った。
◇◇◇
『マスター。目を覚ましてください』
「……。どうやら生きてるようだな」
『ええ、大成功です』
周囲を見渡してみる。
草が茂る平地で所々に岩や木々が見える、何もない平原。
空は真っ暗で星々の光がやけに眩しい
空気は綺麗で酸素濃度も問題ない。外気も汚損されることなく特殊マスクを付ける必要がない世界だった。
こんな穏やかな世界は久しぶりだな。
『ワープホールに入った瞬間、この世界への道を開きました。元の時空から彼方ほども離れた世界です』
「聞くまでもないことだが無人惑星ではないんだよな」
『候補のあった20ほどの世界の中、最もマスターに都合の良い世界を選びましたから。自然豊かな世界でマスターと遺伝子レベルがほぼ一致しているヒト種も存在しています』
「さすが最新の第七世代の
胸にかけたペンダントが自慢気に光る。
所有者の手助をし、状況判断も行える人工知能を有した兵装武器。それがグロースツールである。
俺の相棒であり最新のグロースツール。【クロッカス】ことクロだ。
「追手はどうだ」
『もう二度と追ってくることはないでしょう。代わりに我々が元の世界に帰る手段もありませんが』
それは仕方ない。
あの世界にはもはや居場所などない。
仲間から……宇宙全体を牛耳る次元統一連邦から危険視されて追放されたんだ。もはや宇宙に戻ることはないだろう。
あの時、次元追放魔法を耐えることもできたが、耐えたところで俺に待っているのはジリ貧の死のみ。
敵を殲滅することもできたが、罪状が増えてさらに強力な敵が差し向けられるだけで良いことなんて一つもない。
だから事前にクロと相談して遠い世界へ逃げることを選択した。
「いってぇ……」
『残存魔力10%以下。疲労大。損傷大。命に別状はないものの……余裕はないですね』
「1000人がかりでボッコボコにしやがって……」
『魔力の無いマスターはただの人間ですので魔力は節約してくださいね』
「優しくない相棒だ。まぁいい。どっか眠れる所を探すぞ。朝一で人里を探す。今の間にサーチしておいてくれ」
あの先に見える岩場の陰なら一晩くらい何とかなるだろう。
魔力さえ回復すれば何とでもなる。
ようやく自由を手に入れることができた。
この世界は俺が生きてきたような先進文明にある世界ではない。
昔、任務でここの世界のような自然の溢れる世界に行ったことがある。
その世界には城があって、街があって、人が笑い合い、支え合いながら生活をしているんだ。
冒険者ギルドなんてものもあった。世界中を旅をして秘宝を手に入れたり、魔獣を倒したりするらしい。
それも一人じゃない。仲間を作ってワイワイ喋りながら旅をするんだ。そこで仲間の一人と愛が芽生えて……家族に。
そんなことを夢見ていた。
生まれて20年。親も知らぬ孤児として生き、家族の顔も知らぬまま戦闘魔法を習得させられ、戦って、任務をこなして、強くなりすぎたから殺されかける。
そんな人生はもうごめんだ。
「俺は自由に生きたい!」
『マスター、十時の方向から5名ほどの人族の団体が近づいてきます』
「ちょうどいい。助けてもらおう」
俺は通りに飛び出して両手を振った。
そう、俺は死地から逃げ出すことができてこれで助かると安堵していたのだ。
実際の所、体はボロボロで今にも休みたい気分だった。
『その内の一人が馬と呼ばれる乗用生物に跨がり、走らせてこちらに向かって来ます』
「そうか……」
生物に跨がって移動するなんて最高じゃないか。この世界がいかに先進世界の文明に侵されていないとよく分かる。
俺のいた先進世界では機械式の乗り物しかなかったからな。
このあたりに住む遊牧民だろうか。まぁ……悪いやつだったとしても盗賊程度だったら何とかなるか。
俺の前に停まったその人物の顔を見るために見上げた。
「うぬは何者じゃ」
「ぎょっ!」
遊牧民どころか何か禍々しい甲冑を着た大男が目の前に現れたんだが。
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