一匹とひとり暮らし

青重 忍

パトラがうちにやってきた

クリスマスに我が家に来た黒猫パトラは

はじめての元旦の朝

あるだけのティッシュペーパーを全部ひっぱりだして

床一面 雪原のように真っ白にしてくれてました

私が目覚めた時には

ティッシュペーパー細かくする作業に熱中してました

まだ4か月くらいの子猫なので こういうことが楽しいのかしら

お節や雑煮の用意もしていないし来客の予定もないので

寝とぼけたままぼんやり眺めてました


前の年までは母とふたり暮らしで

お節を買って 杵つき餅を送ってもらい

母が煮しめやごまめ 数の子なども用意してくれてたけど

秋に死んじゃった


ひとり暮らしは20代の頃にアパート住まいで経験してたし

自分のことをさみしがりやではないと思っていたのですが

家の中で自分以外に動くものがいないのはサミシイもので

保健所の保護猫サイトでひと目惚れした黒猫の女の子を譲り受けました


毎日いっしょにすごして あと数か月で丸2年

いっしょにいなかった最長時間は9時間

最初に抱き上げた時のかろかろとした華奢さは今はなく

のびのびと胴体だけがびゅーんと伸びて

しっかり みっちりした体つきになり

膝の上で丸くなって眠れるような大きさを超えましたが

鳴き声と まん丸な目はかわりません


1匹とひとり暮らしはいろんなことがあっておもしろい

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