仲が良い友達なのに私を求めて争い始めた

ぬやみうたくひ

第1話 私、実はね...

「愛ちゃーん!帰ろ!」

優ちゃん達の声がする。もう下校の時間か。

「今行くー!」


今日のテスト大変だったよね。私いっぱい間違えちゃったかも。てか明後日から休みで超うれしい!どっか出かけない?

そんな会話をしながら優ちゃん、硬ちゃん、花ちゃんと駅までの道を歩いている。

優しい優ちゃん、格好いい硬ちゃん、可愛い花ちゃん。私はこの3人といる時間が大好きだ。みんな高校からの友達で、出会ってからもう2年経った。高校最後の夏休みが待っている。この3人と一緒にいっぱい遊べたらいいな~。

でも私、まだ3人に言えてないことがあるんだよな。

「あのさ、どっかカフェとか寄ってかない?」

今日こそ言わなきゃ。この3人ならきっと受け入れてくれるはず。

「えっとさ、話したいことがあるんだけど。」

3人とも不思議そうな顔をしている。深刻そうな私の顔を見ているからだ。

カフェに入る。いつも来るカフェだ。いつも座る席に座った。

「なんか頼もうか。」

「ねえ愛ちゃん、話したいことってなに?」

優ちゃんが私に聞いた。

どうしよう。引かれたりしたら。でもでも、言いたい!これからも友達でいるんだから、知ってほしい。

「あのね、私、レズビアンなんだ。」

シーンとした空気になった。やっぱり引かれただろうか。もう友達ではいられないのかな。

「嘘でしょ...」

「そんな...」

「信じられない...」

みんなのそんな声がする。やっぱり言わなきゃよかったかな。

「「「やったーーー!!!!!」」」

でっか!声めちゃでか!

え???やったー?

3人が今やったーって言った?

「ねえねえ、この中だったら誰が好き?もちろん私だよね?」

「ちょっと優!抜け駆けはなしよ!って、好きなのは私でしょ?」

「やだよ硬ちゃん!好きなのは花に決まってるもん!」

3人が目の前で喧嘩を始めた。取っ組み合いの。

ちょっと頭が追い付かない。

えっと、レズビアンだって話した。それで、3人がやったーって言った。そしたら私の好きな人が誰か話し始めて喧嘩を始めて。

え??この3人、私のことが好きなの?

嫌われるよりは嬉しいけど...。え?

「「「ねえ愛ちゃん!好きなのは誰!」」」

え~~~~~!!!!!

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