【リクエスト作品】ハーレム欲しさに『仲間』を追放した勇者の俺は『仲間』の凄さを知り人生をやり直す！

第1話 追放した

パーティリーダーであり勇者のジョブを持つ俺は仲間のセレスを追放する事にした。

「セレス、悪いが今日でクビだ」

「そうか、まぁ良いや」

随分とあっさりと受け入れたな。

てっきり相当揉めると思っていたんだが。

まぁ良い。

揉めないに越したことは無い。

　セレスとは幼なじみだ。

しかも『親友』そう呼べる位に仲が良かった。

男の中では一番仲が良いのはセレス。

それは間違い無い。

だが、俺にはどうしようもない事がある。

それは『友情』より『愛情』を俺が優先するという事だ。

恋愛と友情なら俺は恋愛を優先する。

男なら仕方が無いと思わないか？

　剣聖のリダ

　聖女のマリア

　賢者のメル

そして俺とセレス　五人揃ってＳランクパーティー『希望の灯』そう呼ばれている。

やや中二病な名前だが、俺は勇者だし、剣聖や、聖女、賢者まで居るから充分名乗る資格はある筈だ。

だが、このパーティには大きな問題がある。

それは男二人に対し三人が女だという事だ。

セレスは悪い奴じゃない。

それ処か男友達が殆ど居ない俺にとって唯一の親友だ。

だが、そんな親友セレスにも一つ譲れない事がある。

それは『女』だ。

相手が親友であってもこれだけは譲れない。

確かにセレスと俺の間には『友情』はある…だが俺は『友情』より『愛』を優先する。

だって仕方が無いと思わないか？

親友と言っても、惚れた女に敵わない。

少なくとも俺はそういうタイプだ。

俺達4人は四職（勇者、聖女、剣聖、賢者）それに対してセレスは魔法戦士。

最近ではうまく連携が取れていない。

追放する理由はある。

クビに出来る理由はある。

流石に追い出したら生きていけない。

そんな奴なら追い出さない。

だが、彼奴だってS級冒険者、此処を出れば、幾らでも次がある。

多分、生活に困らない。

だから追放するのに罪悪感は無い。

「ついて来られないのは分かっているだろセレス」

「そうだな、確かに魔法戦士の俺じゃ皆について行くのは...難しいかもな！」

素直に認めたな。

これで良い。

悪いなセレス俺は、ハーレムが欲しいんだ。

その為にはお前が邪魔なんだよ。

「勇者として大きく飛躍するには大きな手柄が必要なんだ。残念ながらお前とじゃ無理なんだ。なぁ分かってくれよ、パーティを抜けてもお前が親友なのは変わりないからな。」

セレスとは故郷も一緒だ。

ちゃんとした理由づけが必要だ。

悪いなセレス、もう三人は俺の者だ。

そんな目で見てもお前の味方は居ない。

セレスは可愛がっていたメルの目を見ていた、悪いなメルももう俺の女だ。

「私もゼクトの意見に賛成だわ！貴方はもうこのパーティについていけないじゃない。きっと近いうちに死ぬか大怪我をするわ..さっさと辞めた方が良い...これは貴方の事を思って言っているのよ」

「メル...そうだよな...ありがとう！」

セレスは俺とメルを交互に見ていた。

悪いな、メルもお前の追放に賛成なんだよ。

メルのネックレスに目がいったか？

それは俺が買ってやった物だ。

お前が買ってやったネックレスはもうつけることは無い。

『諦めが肝心だ』セレス。

俺は他の2人も同じネックレスを送った。

お前は悪い奴じゃない。

男だから悪いんだ。

ハーレムパーティーにお前は要らない。

未練がましくメルに話しかけている。

まぁ幼馴染だし最後だ好きにしろ。

「メル...俺は必要ないんだな！」

「....」

「君の口から聴きたい」

「もう、貴方は要らないわ」

もう、解っただろう。

「まぁ、ゼクトは良い奴だ、幸せになれよ！」

「し..知っていたの？」

「ゼクトは良い奴だ...他の男なら決闘だが、ゼクトなら諦めもつく」

「ごめんなさい！」

「気にするな」

俺が良い奴だと？

此処迄したんだ、罵倒位は覚悟していた。

それでも俺は三人が欲しかったんだ。

「大人しく村に帰って田舎冒険者にでもなるか、別の弱いパーティーでも探すんだな」

「そうだな、暫くゆっくりして考えてみるわ」

　此奴はなんでこんなに平然としているんだ。

罵倒、場合によっては殴られる。

その位は覚悟していた。

まぁ揉めないならそれで良い。

俺の勝ちだ。

三人ともお前じゃ無くて俺を選んだんだ。

悪いが俺の夢ハーレムの為に追放させて貰う。

俺は勝ち誇りセレスを見た。

しかし、何でセレスは平然としているんだ？

此奴には悔しいという感情が無いのか？

なんでそんな憐れむ顔で俺を見るんだ！

解らない。

リダとマリアは元から俺の者だが、メルはお前の恋人だった筈だ。

悔しく無いのか？

本音で言えよ。

『ハーレムを作ってお前を追放したんだぞ』

幼馴染の輪からお前だけが外れるんだ。

悔しいだろうが！

まぁ良いさぁ。

これでお別れだ。

「じゃあなセレス！」

「さようなら、セレス」

「さようなら」

「貴方より！ゼクトの方がごめん...」

これでお別れだ。

セレスは寂しそうに別れの言葉を口にした。

「じゃぁな！」

「余り酷い事言うなよ　メル！セレスだって俺の親友なんだからな」

「気にするな！今度会った時は笑って話そうな...世話になったな。四人とも幸せに暮らせよ！」

「それじゃ、パーティから抜けてくれるんだな！」

「ああ、お前達は世界を救えばいいんじゃないか。じゃぁな、俺はまぁゆっくり考えるわ」

解らない、お前は悔しく無いのかセレス。

寂しそうな顔をしたが、何処までも怒ることなく親友だったセレスは俺達から去っていった。