毒創的な世界

デッドリーサン

農工地帯

エピローグ

「あー帰りたい」

「お前まだ玄関だろ」

「家から出たら負けかなと思って」

「夏休み明けて最初は全員でろって先生に言われただろ」

「人はな、来いって言われると行きたくないんだよ」

「俺は行きたいぜ?」

「例外がないとは言ってない」

「ともかく、来い」

「ヤメロー!行キタクナーイ!」

半ば引きずられながら学校に向かったが、憂鬱だ。僕の名前は「古華院 健二」スポーツは新体操をやっていて都大会では優勝した。勉強はからっきしだが赤点ではない。そしてこいつが「多田野 藻武」だいぶ優しく言ってモブ()スポーツは人並みでテストも常に平均点。モテず嫌われず友達も人並み。そして、なぜか俺は気に入られている。

「夏休みなんかあった?」

「海行って山行ってBBQした。」

「マジで普通だな」

「お前は?」

「夏休み前半で遊びすぎて最後の1週間は外に出れんかった」

「俺なんか日記しか終わってないぜ!」

「勉強しろ」

いつものノリで突っ込んだが日記だけやってるあたりまだマシなのだろう。しばらくしていつもの交差点に差し掛かった。青信号に変わったのを確認して、交差点を渡ろうとした時、

「「「危ない!」」」

「え?」

横を振り向く間も無くキキーーーーッというブレーキ音が聞こえ俺は車に勢いよくぶつかった。すぐ後ろで「ひでぶっ」と多田野の声が聞こえた― ― ―

「いてて…」

「ここは?」

起き上がると周りには荒廃した野原があり、遠くには骨組みが丸見えのビルが見えた。「は?俺たちが車にぶつかった後に核でも落ちたのか?」

「ヤベェじゃんそれ、」

しかし、焦げた臭い匂いはなく、Jアラートも聞こえない。

「…もしかして転生したんじゃない?」

「え?マジで?スゲエエ!異世界きちゃった⁈」

「いや、まだ決まったわけじゃ」

「ステータス‼︎」

シーン……

「……」

「……」

「…うん、日本だな」

「そうだな…」

「とりあえず歩こう。誰かいるかもしれない。」

「ついてくぜ」

しばらく歩いていると農村が見えてきた。

「おい!家の煙突から煙が出てる」

「誰かいるようだな。」

コンコン

「すみませーん!誰かいませんかー?」

「すみませーん!」

シーン…

「……」

「……」

「…いないな?」

「いないな…」

落胆してまた歩こうとした時

『みぃつけたぁ』

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