第14話 こんなに貰えるなんて聞いてない
「………1000万円も入っとるよ。」
オークを倒して獲得した賞金は1000万円だ。元々の俺の年収以上を1日で稼いでしまったぞ。
こんな簡単に大金が舞い込んでくると怖くなってくる。
「こんなにあれば3年は仕事しなくても生きていけるがまだまだだ!」
昔の俺ならこれで満足してただろう。でも今は違う。
俺はもう知ってしまったんだ。甘美な一時を。
ノノちゃんとの甘い甘い1日を過ごすには金がいくらあっても足りなくなる。
あのサイトには裏の情報も書いてあって
【フードルと仲良くなったらそれ以上も!?】
そんなコメントを見つけてしまったんだ。
「そりゃあ男ならやるしかないでしょうよおおおおお!!」
フツメンの冴えない中年な俺だ。あんな可愛い子との出会いなんて早々あることじゃない。
麗奈さんのような綺麗な女性も良いが、それよりも俺の心の中はノノちゃん一色だ。
「やるぞ!俺は!!やってやるぞおおお!!!」
「ママ?何かおじさんが叫んでるよお?」
「しっ!見ちゃいけません!!」
俺はやってやるんだああああ!!!
「そうは言ってもまずは自分が強くなることを考えなくちゃな。」
今日闘ったオークは簡単に倒せたが、あの試合をした俺の次の対戦相手が弱い相手を選ぶ筈がない。
本当ならゴブリン三体だった筈なのに、突如としてオークのようなモンスターをあてがう運営だ。
用心しとかないと次こそは本当に殺されかねないんだ。
「そうなると俺の身を守る防具だな。」
今手に入れたばかりの1000万円を持って俺には縁のないと思っていた所へと向かった。
「ここが冒険者の装備が売ってる場所か………普通だな?」
目の前には何処にでもあるホームセンターのような建物がある。
この場所はダンジョンからドロップしたアイテムやそれを元に作られた装備品が販売してる場所で恐る恐るの中に入っていく。
「おお………すげえ………。」
その中は俺が思ってた想像よりもファンタジーだった。
様々な武器が並べられ、鎧や杖、何に使うんだよというような形の物と店内を見てるだけで1日が終わってしまいそうな程好奇心をそそる場所だった。
「………は!いけないいけない!俺が欲しいのは身を守る装備だから………こっちか。」
入口付近で店内を見てて数分が経ってしまった。気を取り直して【防具コーナー】と書かれた方へと足を運んだ。
1000万もあれば良いものが買えるだろうと安易に思った俺はバカだと思い知らされたんだ。
「え!?こんなに高いの!?」
俺が最初の目にした値段は思いがけない値段だったのだ。
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